40代は、仕事に慣れたり、子育てが一段落したり。
ちょっとした「人生のひと区切り」を感じやすい年齢ではないかと思います。
自由な時間が少し取れるようになったことで、ふと、これからの人生について考えたとき、「もう一度きちんと学びたい」という気持ちが湧いてくることはありませんか。
学生時代は遊びを優先してしまったけど、あの分野の勉強は楽しかった。
学びたい気持ちはあったけれど、タイミングが合わずに勉強できなかった。
仕事をする中で「やっぱりもっと勉強しておけばよかった」と感じるようになった。
40代になってからでは遅すぎる、なんてことはありません。40代からでも「学びたいという気持ち」さえあれば、さまざまな道が広がっています。
この記事では、40代から学び直したい人に向けて、放送大学・通信制大学・資格スクール・オンライン講座などの選び方をまとめてみました。
「学びたい」という素直な気持ちをそっと後押しできればうれしく思います。
40代から学び直すなら「続けやすさ」が大切
40代から学び直す場合、「何を学ぶか」だけではなく「無理なく続けられるか」どうかも考えておくことが大切です。
若いころのように、勉強だけに時間を使えるわけではない人も多いと思います。
仕事や家のこと。家族の用事や親戚関係。それに、自分自身の体力的な問題もあります。
何を学びたいかにもよりますが、何を勉強するにしても、それなりの知識が一朝一夕に手に入るということはありません。とくに大学や資格取得を目指す場合は、数か月から数年単位の取り組みになることだって考えられます。
せっかくの学び直しを消化不良で終わらせないために、まずは、「何を学びたいのか」とあわせて、「生活の中でどれくらい学ぶ時間を取れそうか」も考えておくことが肝心です。
たとえば、次のような点を確認してみると選びやすくなります。
何かを始めようとするとき、人はどうしても理想を大きく広げがちです。
1日2、3時間は勉強できると踏んで、資格試験用に新しいノートを用意したり、勉強専用の手帳を購入したり、参考書を何冊も買いこんだり。
わたしがそうでしたので、気持ちはすごくわかります。
でも本当に考えるべきは次のようなことです。
仕事で疲れた夜にも、少しテキストを開けるか。
休日の午前中に、レポートを書く時間を取れるか。
体調が悪い時期があっても、また戻れる仕組みがあるか。
40代からの「学び直し」は自分を苦しめるために行うものではありません。
これからの人生を豊かにするために行うものです。
とはいえ、経験豊富な40代にとっては、あまりにも簡単な勉強では物足りないかと思います。「心地のいい無理」は達成感につながります。ちょうどよいレベルの見極めが大切です。
なお、「まず何を学べばいいのか」で迷っている方は、こちらの記事でも40代からの学び直しについてまとめています。
40代から学べる主な選択肢
40代から学び直す方法は、意外とたくさんあります。
大学で本格的に学ぶ方法もあれば、1科目だけ学ぶ方法もあります。
資格スクールに通う方法もあれば、オンライン講座や本から始める方法もあります。
ここでは、主な選択肢を見ていきます。
放送大学
放送大学は、40代から学び直したい人にとって、かなり始めやすい選択肢のひとつです。
テレビやラジオ、インターネットを使って学べるため、時間配分が自由に組みやすく、仕事や家事と両立しやすいのが特徴です。
心理学、福祉、教育、情報、自然科学、社会、生活と福祉など、幅広い分野を学ぶことができます。
大学ですが、入学して卒業するというコースを進まずに1科目だけ履修することもできます。
「大学で学び直したいけれど、いきなり4年間は不安」
「まずは興味のある科目をひとつ受けてみたい」
「仕事や生活と両立できるか試してみたい」
そんな人には、放送大学はかなり現実的な選択肢です。
学費も、一般的な通学制大学に比べると始めやすい金額です。
もちろん、履修する科目数や在籍区分によって費用は変わるため、申し込む前には公式サイトで最新情報を確認する必要があります。
40代からの学び直しでは、最初から大きな目標を立てすぎないことも大切です。
その意味で、「まず1科目から試せる」という形は、とてもありがたいと思います。
一度試してみることで「自分が本当にそれに興味があるのか」だけでなく「自分には、この形式の勉強方法は向いているか」を知ることもできます。
通信制大学
通信制大学は、大学卒業資格を目指したい人や、特定の学問を体系的に学びたい人に向いています。
法学、経済学、心理学、教育学、福祉、文学、情報、芸術など、大学によって学べる分野はさまざまです。
通信制大学の魅力は、働きながらでも大学で学べることです。

じつは、わたしの最終学歴が中央大学の法学部通信教育課程です。
40代からの入学ではないのですが、働きながら、レポートを書いたり、試験を受けたり、スクーリングに参加したりしながら、6年かけて卒業しました。
通信制大学の勉強で大変だったのは、推奨図書を探すことでした。基本的に課題はレポートで提出するのですが、わたしの住む地方では課題に関する本が近くの図書館になく、車で1時間かけて遠方の図書館まで行くこともしばしばありました。
仕事をしながら勉強するには、時間のやりくりが必要です。
レポートが思うように進まないこともあります。
試験前になると、もっと早く勉強しておけばよかったと思うこともあります。
それでも、通信制大学には独特の楽しさがあります。
同級生には、10代から60代までさまざまな年齢の方がいましたが、スクーリングなどで顔を合わせても、年齢の違いはあまり気になりませんでした。誰もが「同じ課題に悩むクラスメイト」でした。
40代から大学で学び直すことに不安がある人もいるかもしれません。
でも、通信制大学には社会人学生も多くいます。
仕事や家庭を持ちながら学んでいる人、定年後に学んでいる人、資格取得を目指している人、純粋に学問を楽しんでいる人。それぞれが目的に向かって必死に勉強する姿に、とてもよい影響を受けたと思います。
「せっかく学ぶのであれば、しっかり大学には行きたい」「でも、仕事はやめられない」という方には通信制大学も面白い選択肢ではないかと思います。
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仕事に直結する学びをしたい場合は、資格スクールも選択肢になります。
たとえば、簿記、FP、行政書士、宅建、介護、医療事務、Webデザイン、プログラミング、キャリア関連の資格などです。
資格スクールのよいところは、合格や習得に向けてカリキュラムが整理されていることです。
独学では何から始めればいいかわからない人でも、順番に学びやすい仕組みがあります。
ただし、資格スクールは費用が高くなることもあります。
「この資格を取れば人生が変わる」
「今なら割引料金で始められます」
「未経験から短期間で収入アップ」
こうした言葉に惹かれて、勢いで申し込むのは少し注意が必要です。
資格スクールを選ぶときは、次の点を確認しておくと安心です。
わたしは30代後半のころ、早稲田スクールである資格の取得を目指したことがあります。力およばず諦めたのですが、このときの勉強経験がずっと尾を引き、40代になってもその資格の参考書をたまに買っては独学で勉強を続けていました。
40代になり、再度受験してみましたが不合格。翌年も受験しようと意気込み、来年の予定にも書き込みましたが、その年の年末に断捨離を決行した際、思い立って参考書の類を一切処分しました。
よくよく考えてみれば、受験理由が「今後、その資格を使って仕事がしたいから」ではなく、「せっかく勉強したのに、来年も受けないと損した気分になるから」だったためです。
資格勉強では、ともすれば「資格の取得」が目標になりがちです。取得して終わりではなく、「これから先の人生に活かしていけるか」まで考えてみると、理想の資格がみつかるのではないかと思います。
オンライン講座
最近は、オンラインで学べる講座も増えています。
動画講座、ライブ授業、月額制の学習サービス、買い切り型の講座など、形式もさまざまです。
オンライン講座のよいところは、始めやすいことです。自宅で学べますし、通学時間もかかりません。
比較的安い講座も多く、まず試してみるには向いています。
たとえば、次のような学びに使いやすいです。
ただし、オンライン講座は自由度が高いぶん、続けるのが難しい面もあります。また、オンライン講座はその種類も多く、「表面だけが立派で肝心の講座内容がスカスカ」なものがないとも言い切れません。
オンライン講座を選ぶなら、最初から大きな講座に申し込むのではなく、まずは短い講座や無料体験から始めるのもよいと思います。
「講座の内容は自分が求めているものに近いか」
「説明や解説の仕方が聞き取りやすいか」
「自分の考える勉強スケジュールと合わせられそうか」
このあたりを確認してから、本格的に学ぶかどうかを決めても遅くありません。
学び直しを仕事や収入につなげたい場合は、ブログ運営のように小さく始められる方法を試してみるのもひとつの選択肢です。
地域の講座・カルチャースクール
本格的な大学や資格スクールだけが、学び直しではありません。
地元で開催される市民講座、図書館講座、公民館講座、カルチャースクールなども、40代からの学び直しに向いています。
語学、歴史、文学、手芸、絵画、音楽、健康、料理、パソコンなど、地域によってさまざまな講座があります。
こうした講座のよいところは、学びのハードルが低いことです。
40代になると、どうしても効率や成果を考えがちです。
でも、学びには「ただ楽しいから学ぶ」という形もあります。
知らなかったことを知る。
手を動かして何かを作る。
同じ関心を持つ人と話す。
こうした講座は基本的に講師との距離が近いので、「気になることがすぐに訊ける」「目の前で講師の実践が見られる」などのメリットがあります。オンライン講座などでは味わえない学習の楽しみがあると思います。
通信制大学で学ぶメリットと大変なところ
通信制大学には、40代からの学び直しに合う面が多くあります。
一方で、大変なところもあります。
ここでは、わたし自身の経験もふまえて、メリットと大変だったところを整理してみます。
働きながら学びやすい
通信制大学の大きなメリットは、働きながら学べることです。
通学制大学のように、毎日決まった時間に大学へ行く必要はありません。
基本的には自宅でテキストを読み、レポートを書き、たまに試験やスクーリングなどに参加して単位を取っていく形になります。
40代で仕事を持っている場合、学びのためだけに生活を大きく変えるのは難しいこともあります。
その点、通信制大学なら、今の生活を続けながら学ぶ道を考えられます。
年齢の違う同級生と出会える
通信制大学では、幅広い年代の人と出会うことがあります。
わたしの同級生には、10代~60代まで幅広い世代の方がいました。それぞれ年齢も職業も違いましたが、同じ科目を学び、同じ課題に向き合う中では、誰もがみな、年齢に関係なく意見を交わせるクラスメイトでした。
これは、通信制大学ならではの面白さだと思います。
若いころの学校生活とは少し違います。社会に出てから学ぶ人たちは、それぞれに経験があります。
そのため、物事の解釈にしても「20代では出てこないだろうなぁ」というような話が聞けることもあり、とても面白い経験ができたと思っています。
自分で進める力が必要になる
通信制大学は自由度が高いぶん、自分で進める力が必要です。
誰もスケジュールを立ててはくれません。
授業に出席しないと注意される、ということもほとんどありません。
自分でテキストを探して読み、独学でレポートを書いていく必要があります。
ここが、通信制大学の大変なところです。
それまでレポートなど書いたこともありませんでしたから、まずは課題に必要な本を読む前に、レポートの書き方を学ぶ本から読む必要がありました。それすら誰かに教えてもらったのではなく、そこに至るまでに何度もレポートを提出し、不可をもらって初めて気づいたことです。
でも、それも含めて学びです。
通信制大学では、そういった「独学で考える力」も必要になります。
卒業を目指すなら長期戦になる
通信制大学で卒業を目指す場合、数年単位の学びになります。
編入学か、1年次入学か。
仕事をしながらどのくらい単位を取れるか。
スクーリングや試験に参加できるか。
これらの条件によって、卒業までの期間は変わります。
仕事をしながら学ぶ場合は、最初から最短卒業だけを目指すと厳しいスケジュールになるかもしれません。
目標を持つことは大切ですが、今の生活を壊してまで急ぐ必要はない、とわたしは思います。
通信制大学は学歴にならない?という不安について
通信制大学と検索すると、「通信制大学は学歴にならないのでは」という疑問がある方がいらっしゃるようでしたので、卒業生としてひと言書いておこうと思います。
文部科学省に認可された通信制大学で卒業要件を満たせば、大学卒業として扱われます。
たとえば、中央大学法学部通信教育課程の場合も、卒業すると「学士(法学)」の学位が授与されます。
これは、わたしが通信教育課程で学び、卒業したときの卒業証書です。
個人情報部分は伏せていますが、証書には「通信制」という記載はありませんでした。

通信制大学は、「通学制より下」というものではなく、学び方の形式が違うものです。
自宅で学ぶ時間が多いぶん、自分で進める力は必要になります。
その代わり、仕事を続けながらでも大学で学べる道があります。
「通信制だから意味がない」と決めつけるのではなく、どの大学で、何を学び、どのように卒業を目指すのかを確認することが大切だと思います。
スクールを選ぶ前に考えたいこと
放送大学、通信制大学、資格スクール、オンライン講座。
どれにもそれぞれ良い面と注意したい面があります。
だからこそ、どこで学ぶかを選ぶ前には、必ず一度立ち止まって「自分は何のために学びたいのか」を考えておくと迷いにくくなるのではないかと思います。
目的は「仕事」か「教養」か
まず考えたいのは、学ぶ目的です。
目的によって、合う学び方は変わります。
たとえば、
仕事に直結させたいなら、資格スクールや実務系のオンライン講座が向いている場合があります。
学問としてじっくり学びたいなら、放送大学や通信制大学が合うかもしれません。
学ぶ習慣を取り戻したいなら、1科目履修やカルチャースクールから始めるのもよいと思います。
自分の気持ちよりも大きすぎる目標を追いすぎると、途中で見失ってしまうことにもなりかねません。
費用は無理のない範囲か
学び直しには、お金がかかることがあります。
大学の学費、スクールの受講料、教材費、交通費、試験料、パソコン代など。
ひとつひとつは払える金額でも、合計すると結構かさんでくることもあります。
特に40代は、生活費や将来のお金も考えたい時期でもあります。学びにお金を使おうというときは、冷静さも忘れないようにしてください。
お金をかける学びが悪いわけではありませんが、自分の生活を圧迫するほどの金額を、勢いで使うのは避けたいところです。
学費や受講料を見るときは、総額でいくらかかるのかを確認しましょう。
分割払いの場合も、最終的な支払額を見ておくことが大切です。
資格スクールは、教育訓練給付制度の対象になっている講座もあります。
条件に合えば、受講費用の一部が支給される場合があります。気になる講座がある場合は、厚生労働省の検索システムなどで対象講座かどうかを確認してみるとよいと思います。
続けられる時間があるか
お金の問題がクリアできたとして、次に考えておくべきは時間の問題です。人によっては、時間の確保のほうが難しいこともあるかもしれません。
40代は、毎日がそれなりに忙しい人が多いと思います。
仕事が終わったあとに勉強しようと思っても、疲れている日もあります。
休日にまとめて勉強しようと思っても、予定が入ることもあります。
「今、ゆっくり寝る時間もない」という状態では、勉強のための時間を確保することは難しいと思います。
まずは1日10分でいいので、「SNSを見ている時間を削れば作れる」「通勤時間を利用できそう」など、学びのための時間が取れそうかどうかも考えておくとよいかと思います。
いきなり高額講座に申し込まない
学び直したい気持ちが高まっているときは、少し注意が必要です。
やる気があるときほど、大きな決断をしたくなります。
高額な講座に申し込んだり、いきなり長期コースを選んだりしたくなることがあります。
もちろん、本気で学びたいものが決まっているなら、それもひとつの選択です。
ただ、まだ迷っている段階なら、まず小さく試すほうが安心です。
食べ物でも試食してみないと、1袋まるまる食べられるかわからないことはよくあります。
まずは短い時間だけ試してみましょう。そうすることで、その内容、その形式の学びが自分に合うかどうかが見えてきます。
「思っていたより面白い」
「これは今の自分には難しい」
「この先生の説明はわかりやすい」
「この分野は好きだけれど、仕事にするほどではない」
こうした感覚は、実際に少し触れてみないとわかりません。
失敗しない選択を一発で当てることを目指さず、小さく試しながら、自分に合う形を見つけていけばいいと、わたしは思います。
まとめ|40代からの学び直しは、遅いどころか現実的な選択肢
40代から学び直したいと思っても、最初は不安があるかもしれません。
今さら遅いのかもしれない。
仕事と両立できるか不安。
若い人ばかりだったらどうしよう。
続けられなかったら無駄になるかも。
そんなふうに考えて、動き出せなくなることもあります。
でも、40代からでも学べる場所はたくさんあります。勉強を始めるのに年齢は関係ありません。
むしろ、40代になったからこそ、若いころとは違う気づきがあることもあります。
学生時代は面白みを感じなかったことに興味が湧いたり、さまざまな悩みを経験してきたからこそ、深く受け取れる言葉もあるでしょう。
学び直しは、人生を一気に変える魔法ではないかもしれません。
けれど、これからの人生における視野を少なからず広げてくれます。
など、まずは無料あるいは安価で始められることから手を伸ばしてみるのはいかがでしょうか。
40代からの学び直しは、遅すぎるどころか、これからの自分を支える現実的な選択肢だと、わたしは思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。





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