社会人になってから、「もう一度きちんと学びたい」と思ったことはありませんか。
「高校を卒業してすぐ就職したけど、大学に行ってみたかったな」
「大学には行ったけど、別の学科の勉強がしてみたい」
「転職に有利になるような勉強を、今のうちにしておいたほうがいいかも」
とはいえ、仕事をやめて大学に行くにはリスクが高すぎる。そういう方は少なくないのではと思います。
そういう方に向けて、今回は通信制大学についてメリット・デメリットなどをまとめてみました。
じつは、わたし自身の最終学歴も通信制大学です。
30代のころ、病院で働きながら大学の法学部を卒業しました。
通信制大学は、仕事を辞めずに学べる方法のひとつです。
通学制の大学に比べると、自分の生活に合わせて勉強を進めやすい面があります。もちろん、通常の大学より楽に卒業できるということはなく、大変なことはたくさんあります。
通信制大学が気になっている人、社会人になってから学び直したい人の参考になればうれしいです。
働きながら通信制大学に通うことはできる?
通信制大学は、働きながら学びたい人にとって現実的な選択肢のひとつです。
通信制大学では、主に自宅学習、レポート提出、試験、スクーリングなどを組み合わせて学びます。
大学や学部によって仕組みは異なりますが、毎日キャンパスに通う必要がないため、仕事を続けながら学びやすい形になっています。
社会人、主婦、子育て中の人、定年後に学び直している人など、さまざまな人が在籍しています。「大学は若い人が学ぶところだから」などと年齢を理由に諦める必要はありません。
ただし、働きながら通信制大学は通学制大学よりも楽に卒業できる、ということはありません。
通学しなくてもよい分、自分で学習計画を立てる必要があります。
わからないことがあっても、すぐには相談できる相手もいません。
誰かが毎日「勉強しましたか」と声をかけてくれることもありません。
通信制大学は、自由度が高い反面、自分で進める力も必要になります。
わたしも、入学前は「働きながらでも学べるなら、自分にもできるかもしれない」と思っていました。受験もありませんでしたし、授業料も通学制大学より安いし、そこに甘い考えがなかったとは言い切れません。
ですが、実際に入学してみると、想像以上に自己管理の大変さを痛感しました。
働きながら通信制大学に通うメリット
通信制大学には、社会人にとって大きなメリットがあります。
特に、仕事を辞めずに学べることは、とても大きな安心材料でした。
仕事を辞めずに学べる
働きながら通信制大学に通う一番のメリットは、仕事を辞めずに学べることです。
社会人が学び直そうと思ったとき、仕事を辞めて通学制の大学に入り直すのは、かなり大きな決断になります。
収入がなくなる不安。
学費や生活費の心配。
卒業後の働き方への不安。
こうした不安を考えると、「学びたい」という気持ちがあっても、なかなか一歩を踏み出せないことがあります。
その点、通信制大学であれば、現在の仕事を続けながら学ぶことができます。
もちろん、仕事と勉強の両立は大変です。
それでも、生活を大きく壊さずに学び直せることは、社会人にとって大きなメリットだと感じました。
「仕事を辞めるほどではないけれど、もう一度きちんと学びたい」
「今の生活を守りながら、新しい分野を学びたい」
そう考える人にとって、通信制大学は十分現実的な選択肢になり得ると思います。
自分のペースで勉強を進められる
通信制大学は、自分のペースで学習を進めやすいところも魅力です。
通学制の大学のように、毎週決まった曜日・時間に授業を受ける形ではないため、仕事の予定や生活リズムに合わせて学習スケジュールを立てることができます。
平日は仕事があるので、夜に少しだけ勉強する。
休日にまとめてレポートを書く。
疲れている日は教科書を読むだけにする。
このように、自分の状態に合わせて学習量を調整できるのは助かりました。
社会人になると、学生のころのように一日中勉強できるわけではありません。
出張が多い仕事だったり、家事や家族の予定があったり、あるいは自分自身の体調管理など、勉強以外にも気を配らなくてはならないことがたくさんあります。
その中で、自分の生活に合わせて勉強を組み込めるのは、通信制大学ならではの良さだと思います。
年齢を気にせず学びやすい
通信制大学では、さまざまな年代の人が学んでいます。
若い人だけでなく、30代、40代、50代以上の人もいます。社会人経験を経てから学び直す人も多いため、年齢を理由に浮くような感覚はあまりありませんでした。
社会人になってから大学で学ぶとなると、最初は少し身構えてしまうかもしれません。
「今さら大学に行ってもいいのかな」
「周りが若い人ばかりだったらどうしよう」
「勉強についていけるのかな」
そんな不安もあると思います。
けれど、通信制大学は「学び直したい人」が集まりやすい場所です。
年齢よりも、「学びたいことがある」という気持ちのほうが大切になります。
わたしは30代で通信制大学に通いましたが、クラスメイトには50~60代の方もおられました。
年齢そのものが大きな壁になると感じたことは一度もありません。

スクーリングの際に、さまざまな年齢の方と学食でお昼ご飯を食べながら「課題の話」や「試験のヤマの相談」などをするのは本当に楽しかったです。
むしろ、社会人になってから自分の意思で学び直すというのは、若いころよりも学びの意味や喜びを感じやすかったように思います。
学びたい気持ちを形にできる
厳しい言い方ですが「いつか勉強したい」と思っていても、思っているだけでは、なかなか生活は変わりません。
本を読もうと思って買ったのに、また積んでしまっている。
仕事中は勉強するぞと思っているのに、帰ってきたらやる気がなくなる。
忙しいからまた今度、という言い訳を3年くらい言い続けている。
わたしも通信制大学に入学するまでは、そんな生活を繰り返していました。
でも、通信制大学に入ると、学びたい気持ちが「予定」に組み込まれます。
通学制の大学よりも長い場合もありますが、通信制大学にも卒業までの在学可能期間があります。
仕事をしながら、その期間内に卒業できるよう、科目を履修し、レポートを提出し、試験を受けなければなりません。これらの締切があることで、勉強に向き合う明確な理由ができます。
「学びたい」という気持ちを、ただの憧れで終わらせず、実際の行動に変えられる。
これは、通信制大学で学んでよかったと感じたことのひとつです。
働きながら通信制大学に通うデメリット
通信制大学にはメリットがある一方で、大変なこともあります。
入学前は「働きながらでも学べる」という部分に目が向きやすいですが、実際に続けていくには、それなりの覚悟も必要です。
自分で勉強時間を作る必要がある
通信制大学で一番大変だったのは、勉強時間を自分で作ることでした。
仕事が終わったあとに勉強しようと思っていても、疲れている日はなかなか机に向かえません。
休日にやろうと思っていても、家の用事や休息で一日が終わってしまうこともあります。
通学制の大学であれば、授業時間が決まっています。
その時間に教室へ行けば、ひとまず学ぶ場所に身を置くことができます。
でも、通信制大学では、自分で「今から勉強する」と決めて、自分の意思で机に向かわなければなりません。
この自由さはメリットとも言えますが、学習に慣れていない段階ではデメリットにもなり得るものです。
誰かに強制されない分、後回しにしようと思えば、いくらでも後回しにできてしまいます。
仕事をしながら学ぶと決めたのであれば、「時間ができたら勉強する」ではなく、「勉強する時間を先にスケジュールに組み込む」くらいの意識が必要だと感じました。
レポートや試験の締切管理が大変
通信制大学では、大学の学科にもよりますが、単位の取得には「レポートの提出」や「スクーリングの受講」、「試験の受験」が必要になる場合が多くあります。
この締切管理も、働きながらだと意外と大変です。
ということが起こるケースは、そう珍しくありません。
仕事や家庭を第一に考え、勉強のスケジュール管理をおろそかにしてしまうと、結局、思ったよりも学習が進まなかったり、考えた卒業までのプランが計画崩れになったりして焦ることがあります。
せっかく「勉強がしたい」と思って大学に進んだのに、卒業どころか勉強さえできないというのは、もったいないような気がします。
レポートは、書く時間とは別に教科書や参考文献を読む時間の確保も必要です。
慣れないうちは書き始めたらすぐに終わる、というものでもありません。
働きながら通信制大学で学ぶなら、締切から逆算して、余裕をもったスケジュールを立てることがとても大切です。
ひとりで学ぶ時間が多い
通信制大学は、基本的にひとりで学ぶ時間が多くなります。
自宅で教科書を読む。ひとりでレポートを書く。試験に向けて勉強する。
もちろん、大学によってはスクーリングやオンライン授業、質問制度などはあります。
ですが、通学制の大学のように、毎日教師のいる教室で友人と一緒に授業を受けるわけではありません。
ひとりで学ぶのが苦ではない人にとっては、落ち着いて勉強できる環境です。
でも、誰かと一緒でないと、なかなかやる気が起きにくいという人にとっては、少し孤独を感じるかもしれません。

わたしは何事もひとりで行うほうが好きなタイプですが、それでも「この進め方でいいのかな」「これはどう解釈すればいいんだろう」と不安になることは幾度となくありました。
通信制大学では、孤独とうまく付き合いながら学ぶことも必要になります。
ただ、「自分で計画を立てて学ぶ」ということができるようになると、それは日々忙しく過ごす40代にとって、勉強以外にも大きく役立つものになります。

卒業まで続けるには根気がいる
通信制大学は、入学することよりも、卒業まで勉強を続けることのほうが大変だと思います。
入学した直後は、やる気があります。
新しい教科書が届くと、「これから学ぶんだ」という気持ちにもなります。
でも、その気持ちだけで何年も続けるのは難しいです。
仕事が忙しくなることもあります。
生活環境が変わることもあります。
勉強への意欲が落ちる時期もあります。
そんな中でも、少しずつ単位を取り、レポートを出し、試験を受けていく必要があります。
通信制大学は、短距離走というより長距離走です。
勉強を続けていくためには、やる気や勢いに頼るだけではなく、それらがなくても淡々と進めていけるような工夫が必要です。
実際に通信制大学で学んで感じたこと
実際に通信制大学で学んで感じたのは、「気持ちだけでは足りないけれど、気持ちがなければ続かない」ということです。
通信制大学では、自分で勉強を進める必要があります。
気持ちだけでなんとかなるほど簡単ではありません。
でも、仕事をしながら勉強するには、やはり「学びたい」「詳しくなりたい」という気持ちや「絶対に卒業するんだ」という想いが大きな支えになります。
一生懸命書いたレポートが「不可」で戻ってきたり、行こうと予定していたスクーリングの時期にちょうど家の用事が重なっていけなくなったり。
そういうとき、自分を支えてくれるのは、最終的に「自分の中にある想い」です。
わたしが学んだのは30代でしたが、年齢を重ねてから「学び直したい」と思えるのは、心からすごいことだと思います。ただでさえ忙しいのに、それにくわえて「やることリスト」を増やそうというのですから。
年齢を重ねるほど、仕事や生活の責任は増えていきます。
自由に使える時間も、若いころほど多くはないかもしれません。
それでも、「もう一度学びたい」と思えたなら、その気持ちは簡単に流してしまうには少し惜しいものです。
通信制大学で学んだからといって、すぐに人生が激変することはないかもしれません。けれど、自分の意思で学ぶ時間を持つことは、これからの生き方を考えるきっかけになります。
わたし自身も、通信制大学で学んだことが、その後の働き方を考えるきっかけになりました。
学んだ内容そのものだけでなく、「働きながらでも最後まで学べた」という経験が、自分の中に残ったのだと思います。

通学中は病院勤務でしたが、法学部を卒業後、法律事務所に転職しました。
通信制大学を卒業できたことは、自分の中で大きな自信になりましたし、その自信が転職するときの強みになった部分もあると思います。
通信制大学が向いている人・向いていないかもしれない人
通信制大学は、残念ながら、「誰にとっても万能な学び方」ではないと思います。
向いている人もいれば、少し工夫が必要な人もいます。
通信制大学が向いている人
毎日決まった時間に通学するのは難しいけれど、仕事の合間や休日を使って学びたい。
そういう自分のペースで学びたい人には、通信制大学の仕組みは合いやすいと思います。
また、ひとりでコツコツ作業を進めることがあまり苦にならない人にも向いています。
通信制大学では、自分で参考書や教科書を集め、読み、課題に取り組む時間が多くなります。
誰かと一緒に意見を出し合いながら学ぶというより、静かに積み重ねていく学び方です。
あとは、学びたい分野がある程度はっきりしている人も、続けやすいと思います。
しっかりした目的があると、仕事や私生活で忙しい時期があっても、勉強に戻ってくる理由になります。
通信制大学が向いていないかもしれない人
一方で、何事も誰かに管理してもらわないと続きにくい人は、少し工夫が必要かもしれません。
通信制大学は、自由度が高い分、強制力はあまり強くありません。
今日は疲れたからやめよう。
今週は忙しいから来週にしよう。
まだ締切まで時間があるから大丈夫。
こういう状態におちいったとしても、それをとがめる人はいません。そうしているうちに、気づけば学習が止まってしまうということもしばしばあります。
また、仲間と一緒に学ぶことを重視したい人にとっては、物足りなさを感じる可能性があります。
もちろん、スクーリングや交流の機会がある大学もあります。
とはいえ、基本的にはひとりで進める時間が多いため、通学制の大学のような学生生活を期待すると、少し違うと感じるかもしれません。
短期間でわかりやすい成果を求めている人も、慎重に考えたほうがよいと思います。
通信制大学は、コツコツ積み上げる学びです。
学校にさえ入ったらすぐに収入が増える、すぐに人生が変わる、というものではありません。
ただし、向いていないかもしれないからといって、絶対に無理というわけではありません。
自分の弱点をわかったうえで、締切管理を工夫したり、学習時間を予定に入れたりすれば、続けていくことは十分に可能だと思っています。
働きながら通信制大学を続けるために意識したいこと
働きながら通信制大学で学ぶなら、気合いだけに頼らないことが大切です。
やる気や勢いは日によって変わります。だからこそ、このような「感情」に関わらず、勉強を続けるための仕組みを作っておくことが大切です。
締切を先に確認する
まず肝心なのは、レポートや試験の締切を先に確認し、スケジュールに組み込んでおくことです。
「いつまでに何を出すのか」
「試験はいつ受けるのか」
「スクーリングの申し込みはいつまでか」
こうした日程を早めに確認しておくと、あとで「単位が足りない」などと慌てにくくなります。
締切が近づいてから始めようとすると、仕事の忙しさや家庭の用事、あるいは自分の体調にも左右されやすくなります。
ちなみに、締切は「本締切」と「仮締切」を作り、余裕のある「仮締切」に間に合わせるようにすると、万一のときも慌てずに学習プランを進めることができるので、おすすめです。
勉強時間を予定に入れる
「時間ができたら勉強する」という意識では、なかなか勉強できません。
社会人の生活では、空いた時間は自然に何かで埋まっていきます。
掃除や洗濯などの家事、家族のイベント、自分を癒すための時間に使うだけではなく、ついついスマホを触ったり、ちょっと寝ようと思ったら熟睡してしまったり。
どれも大切な時間だとは思いますが、勉強時間は意識しないと残りません。
そのため、最初から勉強時間を予定に入れておくことが大切です。
たとえば、
このくらい小さくても、習慣化して続けていくことで、確実に知識は積み重なっていきます。
完璧を目指しすぎない
働きながら学ぶときは、完璧を目指しすぎないことも大切です。
目標を「毎日2時間勉強」にしたり、「週に1冊は教科書を読む」にしたり。このような予定をこなしていけるのは、もちろん理想的です。
でも、実際には仕事で疲れる日もあります。
予定が崩れることもあります。
思ったように進まない時期もあります。
そこで「もうだめだ」と思ってしまうと、勉強に対する意欲が減ってしまい、学習そのものが止まりやすくなります。
そのくらいの気持ちで続けるほうが、結局、長く学びの気持ちが続きやすいと思います。
早めに少しだけ着手する
レポートや試験勉強は、早めに少しだけ着手するのがおすすめです。
参考資料を探して、読んで、まとめて、書いて。
資料探しから提出まで、一気に完成させようとすると、キャパシティーへの負担が大きくなります。
やる気があるうちはいいですが、やる気が去った後、何もかもイヤになってしまうという経験は、わたしにもありました。
レポート作成や試験勉強は、細かく分けて取り組むほうが取りかかりやすくなります。
このくらい細かく具体的な作業に分けるのがおすすめです。
1回にしなければならない作業の分量が少なく、それが明確であるだけで、次に取りかかるときの心理的な負担は軽くなります。
通信制大学の学習は、まとめて一気に進めようとすると大変です。
小さく始めて、少しずつ進めるほうが続けやすいと感じました

通信制大学は、大学ごとに学べる分野や学費、スクーリングの有無、卒業までの流れが異なります。
気になる大学がある場合は、まず資料を取り寄せて、学びたい内容や費用を比較してみるとイメージしやすくなります。
まとめ|通信制大学は楽ではないけれど、学び直しの選択肢になる
通信制大学に入ったからといって、それだけで人生が大きく変わるわけではありません。
入学すれば自動的に知識が身につくわけでもありませんし、卒業すれば必ず理想の仕事に就ける、というものでもありません。この点は、少し冷静に考えておいたほうがいいと思います。
通信制大学は、通学制の大学よりも楽に卒業できる場所ではありません。
それでも、働きながら学び直したい人にとって、現実的な選択肢のひとつだと思います。
30代でも、40代でも、それ以降だとしても。
年齢だけで「今さら遅い」と諦める必要はありません。
少しずつでも学び始めることで変わるものがきっとあるはずです。
通信制大学が気になっているなら、まずは資料を見たり、学びたい分野を考えたりするところから始めてもいいと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。



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