人生が変わるといわれれば、やらないわけにはいきません。ということで、1か月かけて断捨離®に挑戦してみました。
結論から言うと、本当にやってよかったです☻☻☻
まだ、たったの一度経験しただけですが、「断捨離®をすれば人生が変わる」といわれる所以がわかった気がします。
言葉の使い分けについて 【物:形のある物質】【モノ:形のないデータなども含む】
断捨離®とは
断捨離®とは、やましたひでこさんが提唱されている、いまの暮らしを豊かにするために行う片付けのメソッドです。
断捨離®というと、モノを捨てることにフォーカスされがちですが、やましたさんの書いたご本などを拝読し、実際に自分でも断捨離®を実行してみた感じでいうと「断捨離®ができるようになった結果、モノを捨てることができた」というほうがしっくりくるような気がしています。
断捨離®というと新しい片づけ術かと思うかもしれませんが、そうではありません。断捨離®とは、モノへの執着を捨てることが最大のコンセプトです。モノへの執着を捨てて、身の周りをキレイにするだけでなく、心もストレスから解放されてスッキリする。これが断捨離®の目的です。
やましたひでこ 公式サイト https://yamashitahideko.com/
断捨離®をやってみて感じたメリット
わたしが実際に断捨離®をしてみて感じたメリットは、大きく分けると以下の3つ。
❶心理的メリット ❷物理的メリット ❸終活的視点からのメリット
合計すると14個になるそれぞれのメリットについて、以下まとめていきます。
心理的メリット
管理責任から逃れられる
動産にしろ、不動産にしろ、なにかしら「物を持つ」ということは、すなわち「その物を管理する責任を負う」ということです。
たとえば、石油ストーブを使用する場合、使い方を守って石油ストーブが原因の火災がおきないように気をつけなければなりません。車を購入したなら、その車を法的に問題なく置いておくことができるスペースを確保し、その車が原因となって他者に不利益がないよう注意する必要があります。
また、猫のいる家庭で百合の花を飾る場合には、猫が花粉に触れないように厳重に管理しなければなりませんし(猫にとって百合は猛毒のため)、子どもがいる家庭に子どもが飲み込める大きさのおもちゃがあれば、誤飲しないよう、つきっきりで見ておかなければなりません。
しかし、石油ストーブがなければ、それが原因の火事はおこりえません。
車がなければ、駐車スペースも加害者になる可能性も考えずに済みます。
家の中に百合の花がなければ、猫がどこを歩くのも自由ですし、子どもが飲み込める大きさの物が部屋の中にひとつもなければ、誤飲事故を起こす危険性は格段に少なくなります。
物を手放すだけ、その物の管理責任からも逃れることができるのです。
ずっと心に引っかかっていた問題と決別できる
実家を出たのが4年前。実家にある自分の所有物の片づけについては「早く片づけないと」「ヒマになったら行こう」と思いつつ、だらだらと後回しにしてきました。
で、気づいたら4年。
両親ともに物を溜めこむ人なので、片付いていないことに関して何かを言われることはなかったのですが、何となくずっと心に引っかかってモヤモヤしていました。
これまでなぜ片付けができなかったかというと、実家に駐車場がないんですよね。車を停めることができる場所まで歩いて5分ほどかかるので、荷物を運搬することを考えるだけでも億劫で。
しかし、この度やると決意したのは、『人生を変える断捨離®』。
150㎏まで載せられる台車を購入し、必死で運び出しました。

ベッドと学習机の木材は、のこぎりを使って限界まで小さく分解し、市のごみ処理場に持ち込んで処分しました。
今回の断捨離®で、実家にある自分の所有物は全部運び出すことができ、心のモヤモヤがきれいに払拭されました(自宅の片づけはまだまだなのですが)。
ちなみに、断捨離®をするにあたっては、とくに家族に進言することはしなかったのですが、広くなった部屋を見て思うことがあったのか、家族も影響されたようで。
遠方に住む兄弟が自分の荷物を整理しに来たり、両親からも「少しだけ片付けをしてみたよ」という電話をもらったりすることが増えました。
脳が疲れにくくなり、心に余裕が生まれる
物が減ると視界から入る情報量が減るので、心に余裕が生まれます。
人間、何も考えずにいようと思っていても、視界に洗濯物が入れば「畳まなきゃ」と思うし、本の背表紙が入れば「読まなきゃ」となるのが普通です。
たとえ、身体はソファーでだらけていても、頭はフル回転状態です。これでは疲れはとれません。
断捨離®のモチベーションがあがらないという方は、普段ゆっくり過ごす場所に座って、そこから見える範囲を先に片付けてみるといいかもしれません。
視界情報が減ると『何も考えないこと』ができるようになり、脳が休まる感じがするのでおすすめです。

「自分だって、やればできる」という自信につながる
たかが片付け、されど片付け。いまの状況を変えようとすることは、どんな行為であっても体力・精神力を使うものです。
物を捨てるなら、ゴミ袋に入れて収集日に収集場所まで持っていかないといけないし、売るなら売るで、売れるようにきれいに清掃して売却のための手筈を整えなければいけません。
面倒なので全部業者に丸投げ! という場合でも、どこの業者にするか探して、電話して、来てもらう日を決めて、打ち合わせをして、見積もりを出してもらって、料金を支払って、作業日を迎えて、作業後はその状態をキープしないといけない――。
どれを選ぶにしろ、大変なことです。それをやってのけたわけですから、これはもう全力で自分を褒めてあげないと。

積読になっていた本を整理した? えらい!!

洋服ダンスが閉まるようになったの? やるじゃん!!
選択肢が減って、小さな悩みが解消される
たとえば洋服の場合、5着を2着にすれば、5択だったものが2択になりますから、選択にかかる時間はかなり減ります。
食事のたびにどの皿を使おうか悩んだり、どの鞄で出かけようか迷ったり。物が多ければ多いほど選択肢は増え、貴重な時間を消費することになってしまいます。
ここでわたしがひとつ思うのが、この悩んでいる時間が楽しい場合、ムリに断捨離®する必要はないんじゃないかな、と思います。
断捨離®というと『何でもかんでも捨てまくる』みたいなイメージをもっている方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。
モノへの執着を捨てて、身の周りをキレイにするだけでなく、心もストレスから解放されてスッキリする。これが断捨離®の目的です。
やましたひでこ 公式サイト https://yamashitahideko.com/
つまり『それがあることで、心にストレスを感じるモノ』は断捨離®したほうがいいけれど、そうでないモノに関しては処分をすすめてはいないんです。
わたしの場合、これまで書く内容ごとにノートを変えていたのですが(日記、読書感想、日本語の勉強用、HTML&CSS勉強用、ブログ用、ライター用、感謝ノートなど)、これを1冊のノート(無印A6スリムノート)に全部まとめて書くことにしました。これがまあ、ラクなこと!! どれに書こうか悩むこともちょいちょいあったので、もっと早く1冊のノートにまとめるようにしていればよかったと思います。
ちなみに、1冊にすることで同じページを何度も見返すようになったので、結果的にわけていたときより内容を覚えるようになりました。
物理的メリット
物がなくなった分、部屋が広くなる
当然のことながら物がなくなれば、その分、余白となる空間が広がります。わたし自身、物が多くある家で育ってきたので、空間だけがある状態が、これほどまでに贅沢で多幸感をもたらすとは思ってもみませんでした。
旅館や美術館などで何もない空間の素晴らしさは知っていたはずなのに、『物がない空間=非日常的空間』と思い込んでしまっていたんですよね。
「こんな散らかった状態でキレイになった部屋を想像するなんてできない」という場合、天井を見上げてみてください。どんなに散らかった家でも、さすがに天井には電気やポスターが貼ってあるくらいだと思います。
不可思議な作りの部屋でないかぎり、その部屋には天井と同じ広さの床(空間)があるはずです。物があると狭く感じがちですが、こうして天井を見てみると、あんがい広く感じませんか?


断捨離®のいいところは、その心地よさを手に入れるために、何かを買う必要がない、というところ。
ごみ出しに多少お金がかかるものもありますが、何かを買うというよりは安く済みます。
ケガをしにくくなる
とがったおもちゃを踏んでしまったり、棚に足の小指をぶつけたり、積み上げた本がなだれを起こしたり。わたしも実家で暮らしている頃は、しょっちゅう何かにぶつかったり、物を踏んづけたりして身体中に青あざを作っていました。
実家暮らしからひとり暮らし(+猫)に変わり、❶猫が走り回るときにぶつかりそうな物は部屋の中に出さない、❷踏むと痛い物を床に置かない、❸物の数を増やさない、❸重さのある物はなるべく買わない、を心掛けるようにしたら、明らかにケガをする回数は減りました。
また、近年、いろんな場所でさまざまな災害が起こっています。地震や火事などの災害が起きたとき、脱出経路上にケガをしそうな物を置かないようにすることも大事なことかと思います。
掃除しやすくなる・埃/ハウスダストが減る
物がなくなれば掃除機をかけるときにいちいち持ち上げたり、腕だけを突っこんで掃除しなければならなかったりという手間が減ります。圧倒的にラクになるので、掃除に向かうハードルが下がり、その結果、埃やハウスダストが減るというハッピーサイクルが生まれます。
わが家には猫がいるので、どうしても抜け毛が気になりますが、物を減らすことを心掛けてからは掃除しやすくなり、空気清浄機のフィルター洗浄ランプが点滅するまでの期間が明らかに長くなりました。
どこに何があるか探す時間が減る
本当は物の定位置まで決めた方がいいのでしょうが、そこまでできなくても、物の数が減るだけで、どこに何があるか探しやすくなります。
同じ箱でも、ぎゅうぎゅうに詰まった箱の中から1本のペンを探すのは大変ですが、その箱にペンが5本しかなければ、あっという間に見つかりますもんね。


何かをしようと思い立ったときに必要なモノが見つからないと、しようと思ったことまで面倒くさくなって「もういいや……」となることありませんか?
わたし自身は『モノを探す』という行為自体に多少ロマンを感じているので、探し物をする時間がすべて無駄とは思いませんが、せっかく湧いたやる気や集中力が萎んでしまうような事態は避けたいですものね。
無駄使いが減る・なくなる
物を片付けたり、処分したりする大変さを知ることで、物を購入する前から「これを買ったら捨てるとき大変そうだな」と処分するときのことを考えるようになりました。
また、「これを買ったら、家の余白が減るなぁ……」と思うと、購買意欲が萎んでしまうこともしばしば。
結果、もともと薄かった物欲が、ほとんど無いような状態になってしまいました。でも、それで不幸かというと、そんなことは全然なくて。むしろ、たくさんの物を買って、たくさんの物を捨てていたときよりも、明確に幸福度は高まっているのを感じます。
ただ、猫の物に関しては、まだまだ物欲を押さえることができず。
2猫に対して10ベッドあるにもかかわらず、ついつい新しいベッドを見ると欲しくなってしまうのが目下の悩みです。

断捨離®後のゴミ出しの量が明らかに減る
断捨離®で家庭の膿(うみ)を出してしまうと、もはや捨てる物がなくなります。
くわえて、買い物の仕方も変わるので、ゴミが出なくなるんです。
これまでは週2回の燃えるゴミの日に中の袋(大中小のうち)に詰めてゴミ出ししていたのが、週に1回、小の袋でも足りるようになりました。

ゴミ袋の量が減った、というのは、『支出金額』が減ったということ。視覚化すると無駄使いが一目瞭然!
もちろん、わたしはひとり暮らしなので家族で暮らしている方とは比べ物にならないとは思います。
それでも確実に今出しているゴミの1割以上は減ると思いますし、しんどい思いでようやく終わらせた断捨離®経験後は「(不要品は買わないようにして)ゴミを減らそう」という意識に変わっていくと思いますよ。
終活的視点からのメリット
終活とは、その名のとおり「人生の終わりに向けての活動」のこと。
生きとし生けるもの、いつ終わりが来るかわかりません。35歳を超えたころから、毎年、年末に遺言書を書いているのですが、『生きているうちに、遺されて困るものはなるべく片付けておく』というところまでは考えが至っておりませんでした。
終わりに向けての整理というと悲しい気持ちになる方もあるかもしれませんが、終わりを意識することで、より『いまという時間の大切さがわかる』というのも事実だと、わたしは思います。
遺された者の負担を減らすことができる
断捨離®を終活の手段として考えた場合、できるだけ遺された者に負担がかからないようにしたいと強く思いました。
たとえば、自分自身ですら大切すぎてどうしたらいいかわからないようなモノ(亡き愛犬の使っていたハーネスなど)を遺して死んでしまったら、わたしの遺品を片付ける家族が困ることは間違いありません。それは良くない。
ということで、処分に手間がかかりそうな物(亡き愛犬グッズ、古いパソコン、旧スマートフォンなど)は、できるだけ減らしておき、遺された者が面倒を被ることがないようにしました。立つ鳥跡を濁さず、です。
見られたくないモノを自分の手で処分できる
人間、生きていれば誰にも見られたくないモノも多々ありますよね。わたしも書き殴りのノート類は絶対に誰にも見られたくない。ということで、使い終わったノートやメモ類、書き込みのある本などはすべて処分しました。
また、この先使用するノートに関しては、火葬時に一緒に燃やしてもらえるよう、リングノートを使用しないことにしました。
手放せないモノを知ることで、大切なモノが何か気づくことができる
終活の一環として断捨離®に臨むと、『明日死ぬとしても手放せないモノ』に気づくことができます。
わたしの場合は、❶亡き愛犬たちが使っていた毛布類、❷いまの猫たちが使ってくれるキャットタワー、ベッドなど猫グッズ、❸横溝正史先生の初版本類がそれでした。
自分の人生にとって何が大切なのか、何が心の支えになっているのか、どういう終わりを迎えられたら幸せだったと言えるのか。
普段は考えることのない人生の終わりについて、断捨離®をとおして向き合うことで、『わたしにとっての幸福な人生とは何か』を考える絶好の機会となりました。
断捨離®で体感する『いまの自分を大切にする』ということ
断捨離®をはじめる前、正直なところ、わたしはそれほど多くの物を手放すつもりはありませんでした。
なぜなら、片づける前に手元にある物は、けっして単なるゴミではなくて、過去の自分が人生に必要だと思って集めたモノだからです。これらを処分することは、過去の自分を否定するような気がしていました。
でも、実際に断捨離®をはじめてみると、全然そんなことはなくて。むしろ過去のモノを手放すたびに『いまの自分を取り戻していく』ような感覚になっていくんです。過去の自分によって占拠されていたスペースが、いまの自分の領地になっていくというか。何とも不思議な感覚です。
これまでのことを感謝しつつ過去を手放し、未来は未来の自分に任せて、いまの自分の人生を取り戻す。

『いまここ』を重んじる断捨離®は、どこか瞑想にも似ている気がします。
わたしが書いたメリット以外にも、まだまだ良いことはたくさんあるはずです。
もうインクのないペン、縁が欠けているマグカップ、いつ貰ったか不明の化粧品のサンプル。まずはそこから、人生観を変える断捨離®はじめてみませんか?
最後までお付き合い、ありがとうございました。
それでは、また☻
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