人生を変えようと思い立ってから、ヒマができるたびに断捨離®を繰り返しているのですが、じつは先日処分した物をいまになってひどく後悔しています。
処分を後悔しているのは『ひんやり敷マット』。
その理由はのちほど書くとして、【断捨離®をして後悔】で検索すると「捨てなきゃよかった」という思いを抱えている方は少なくないことを知りました。
今回は「後悔することになりかねない、してはいけない断捨離®」についてまとめてみます。
いま、断捨離®をしようか迷っている方の参考になれば幸いです。
断捨離®とは
断捨離®とは、やましたひでこさんが提唱されている片づけ・整理のメソッドです。
片づけといっても、物理的に物を処分・収納することだけを目的としたものではなく、どちらかというと、片づけや整理という単純な行動を『ツール』として使いながら、自分の頭や心のなかを整理していくという精神的な意味合いに重きを置いているもの、というのがわたしの断捨離に対する認識です。
人生を変えたいとか、人生をやり直したいとか、そういう意識がない方は、そもそも断捨離®に興味を抱きません。
人生を変えたいからこそ、ヒトは断捨離®に挑む、とわたしは思っています。
という決意を抱きながら「この物はいま、自分に必要か」と自問することで、「いまの自分が幸せな人生を送るためには、自分自身は何が必要だと思っているのか」の答えを見つけることができるのです。
目の前にあるのは、昨日までの自分にとって必要だったもの
その中から、いまの自分を幸せにしてくれるものを選んでいくのだ
自分自身で、自分自身のいまの人生における大切なものに気づくことができる
いまの自分にとって大事なもの、大切なものは何か。
直接、物に触れながら作業ができる断捨離®では、紙に書き出していくだけでは気づけなかったことやすっかり忘れていた好きだったことも思い出すことができます。
❶その気になれば、いますぐにでも始められ、❷ゴミの処分費用以外にはお金もかからず、自分の人生を取り戻すことができる。なかなか優れたメソッドだと思いませんか。
どういうときに断捨離して後悔する?
そんな優れたツールである断捨離®ですが、後悔している方や後悔するケースがまったくないかというとそうでもなく。
実際、捨てたものは二度と手元には帰ってきません。まさに「取り返しがつかない」事態です。
「断捨離®はしたいけれど、後悔はしたくない」「後悔しそうで断捨離®できない」という思いを抱いてしまうのも当然のことだと思います。
わたしの個人的な見解ですが、断捨離®をしてしまって後悔する場合というのは、自分の心に向き合わず、ただ物を処分してしまったときに起こるような気がしています。
断捨離®の目的は、心の整理です。
わたしもこれまでいくつものモノを処分してきましたが、『適切に断捨離®できた』モノは、決して手放したことを後悔しません。
処分したことで心にさざ波が立ってしまうようであれば、それは断捨離®とは言えません。まだそのモノから執着心が離れていないからです。
そんなときは無理に処分せず、執着心が消えるまで手元に置いておくことをおすすめします。決して捨ててはいけません。捨てた途端に執着心は倍増します。手が届かなくなったと思うと、なおさら。
全然価値がない物だとしても、まるで10億円の当たりくじ🎯を捨ててしまったかのように後悔する。
捨てるかどうか迷っている時間も、捨てた後で後悔している時間も、「それを捨てなければ生じなかった」無駄な時間です。
いつか「もう、わたしの人生には必要ない」と思えるときが、きっと来ます。
それが新しい道に進むことができるようになった心からの合図です。そのときに捨てればいいのです。
そのときがきたら、捨てるために悩むことも、捨てた後で後悔することもまったくありません。
そういうモノほど手放すことができたときの解放感は大きいですよ。
重たい枷が取れた感じで、最高に気持ちが良いんです☻☻
執着が消えるまで捨ててはいけない物
二度と手に入らないもの
卒業アルバム、家族写真、亡くなった家族の持ち物、子どもの頃につくった作品、過去に受賞したトロフィーなどなど。
思い出の品や何かの記念品など、世の中にはお金を出しても手に入らないものがあります。
「これを捨てたら二度と手に入らないけれど、べつに構わない」と思える前に処分してしまうと後悔する可能性は高いです。
わたしも卒業アルバム、過去に作ったもの、亡くなったペットの遺品などを処分しました。
捨てる前には、以下のようなことを悩みましたが、それでも結局廃棄する道を選びました。「自分が死んだ後、これらの物をこの世に残したくない」と思ったからです。心が晴れるだけで、いまに至っても後悔は一切していません。
手に入れたときの感情が強いもの
冒頭でも書きましたが、わたしが処分した物のなかで唯一後悔したものが『ひんやり敷マット』でした。
「どこでも買えるし、また買えばいいやん」と言われそうですが、じつは新品のダブルベッドサイズを税込み500円で購入したんです。
すごくないですか??! ダブルベッドサイズで500円ですよ??!!
今年の夏には引っ越しをしているはずだったので処分したのですが、状況が変わって引っ越しがなくなり。「500円で買えた」という成功体験(?)のせいで新しい敷マットもなかなか買えず……。
すごく高い買い物をしている気がして、損をしたような気持ちになりました。
でもまあ新品の敷マットを猫たちが喜んでくれたので良し、ということで。
ということで、手に入れたときの感情が強い場合、執着を捨てきれていないと後悔する可能性は残るかと思います。
わたしのような「安く買えた、買って得した」という感情以外にも、「大好きな●●と一緒に買った」「ライバルの■■は買えなかったけど、わたしは買えた」など、『それを手に入れたときの感情を、今でもありありと思い出せるもの』を捨てる際はご注意ください。
その物に対する強い執着を感じているもの
これから捨てようとしている物をほかの人が持っているのを想像したり、燃えて灰になる想像をしたとき、「ダメ、無理」と思うのであれば、まだ執着心は消えていませんから、捨てないほうがいいかと思います。
ただ、どんなに執着したとしても、自分がこの世を去るときには、それはかならず自分の手から離れます。
そう思ってみると、執着が強いからこそ、自分が生きている間にこの世から処分してしまう、という考え方もありそうですね。
こんな断捨離は後悔するという行動パターン
他人に言われて行う
他人に言われて仕方なく片づけをする場合、モチベーションがないので、なかなか実行に移ることができません。
くわえて抵抗する気持ちが強ければ強いほど、捨てたくないという意識が強く働いてしまうので、捨てた物に対する後悔も抱きがちです。
とはいえ、他人に「片づけてほしい」と言われるというのは、自分の領域だけではなく、家族の領域までも自分の物で占拠している場合など、本当に片付けたほうがいいシチュエーションだと思われます。
他人に言われて片付けると思えば不愉快ですが、他人の声かけは単なるきっかけにすぎません。
今後あなたが行うのは、他人に「片づけてほしい」と言われてしぶしぶ行う『片付け』ではなく、つねに『自発的に行う断捨離®』です。
頭と心を切り替えて、しっかり自分の意志で断捨離®をコントロールしてください。
感情的、突発的に行う
「ケンカした」「振られた」「クビになった」などなど。
ポジティブな感情ではなく、ネガティブな感情に支配されているときは、断捨離®には取り組まないほうが良いかと思います。
わたしも一度(ポジティブな感情ではありましたが)、感情のおもむくままに物の要・不要を判断したことがありました。
正直、感情に任せて物を捨てるのって気持ちがいいですよね。何も考えずにぼんぼんゴミ袋に放り込んでいくのは、最高な気分でした。
ただ、落ち着きを取り戻して見てみると、「これは捨てずに家族に譲ったほうがいいかも」「これはやっぱり、もう少し考えてみたい」みたいなことがありまして。
断捨離®は自分の心との対話です。感情が落ち着いているときに行うことが大事だと思い知りました。
期限に迫られて行う
わたしは水曜日に食料の買い出しに行って、木曜日の朝に作り置きの食材を用意する、というのをルーティンにしています。木曜日の朝がごみ出しの日だからです。
6時から8時までに必要な下処理をして、出た生ごみを8時30分までにごみ集積場に持っていく。そして、9時の回収車の音を聞きながら、珈琲を飲む。〆切がないと料理をしない自分のダメな性質をよくわかっているやり方です(笑)。
このように、適度な〆切は気持ちを引き締めてくれますから、大いに活用すべきですが、あまりにもギリギリすぎる〆切に追われていると、かえって問題を増やしがちです。
引っ越しの退去などの期限に迫られて断捨離®を行う場合、間に合わないと思ったら、「これは新居に持っていきたくない」と思うものだけ処分するようにしましょう。
できるだけ物を減らしたほうが引っ越しはラクですのでね。
新居に置きたくないものだけ旧居で片付けていきましょう。
それ以外はひとまず新居に運んで、落ち着いてから断捨離®をすることをおすすめします。
中身を見ないまま処分する
箱などのなかに自分の大事な何かが入っていた場合は、後悔するだけで済みますが、他人の大事な何かが入っていた場合、取り返しがつきません。
なかに何かが入る物を処分するときは、かならず中身も確認するようにしましょう。
他人(家族)の物を処分する
後悔するとかしないとかではなく、絶対に他人の物を勝手に処分してはいけません。
家族であっても器物損壊罪(刑法第264条)に問われる可能性があります。
断捨離®は自分の所有物と向き合うことで、自分自身の過去・現在・未来をみつめるというものです。他人の持ち物に干渉する必要性はまったくありません。
家族の持ち物がどんなに不快であっても、その家族とこれからも仲良く一緒に生活していきたいのであれば、その持ち物の主に片づけを提案するか、持ち主の管理下に置いてもらう(持ち主の部屋で管理してもらう)ようにするにとどめてくださいね。
物ではありませんが、人の心も壊れます。
壊れた心と信頼関係は二度と元に戻りません。
イライラするより、先に自分だけ断捨離®を成功させて、スッキリしちゃいましょう!
心地いい空間で生活している姿を見せつければ、家族も片づけをはじめてくれるかもしれません。
売る・稼ぐが目的になってしまっている
メルカリやヤフオクなどで不要品を販売していると、思ってもみなかったものが高額で売れることがあります。
断捨離®はあくまで心の整理。
「これはもう自分の人生には必要ない」と思うものを売るのはありですが、「お金になるから物を売る」という心持ちで行う処分は断捨離®ではありませんし、「これがあると幸せだけど、いまなら高額で売れるから」と処分してしまうと後悔することになりかねません。
断捨離®をしたいのであれば「あれも売れるのではないか」「これで稼げるのでは」という考えに支配されることなく、『自分のこれからの人生に必要か、そうでないか』に向き合って答えを出すようにしてくださいね。
収納する・物に囲まれているのが好き
物がない生活に幸福を感じるヒトがいれば、物がある暮らしに喜びを感じるヒトもいます。
他人に迷惑をかけさえしなければ、どんな部屋で暮らすのも自由です。足の踏み場もないほどに散らかっているほうが落ち着く、というのも幸福論のひとつ。誰に批判されるいわれもありません。
断捨離®以外にも、人生を変える方法はたくさんあります。
物を捨てることに強い嫌悪感(あるいは罪悪感?)がある方の場合、部屋を片づけることで自分自身と向き合う、という断捨離®に固執せず、べつの方法を探したほうが得策だと思います。
物に囲まれているのが好きならそのまま。
本当は片づけたいなら片づければいい。
自分の心に素直になったら、また気づくことがあるかも。
すでに捨ててしまって後悔している方へ
仏教には、『この世のすべては借りもの』という考え方があります。
死ねば何ひとつあの世には持っていけませんからね。まさに言い得て妙ですね。
仏教によらずとも、死ねばすべて手放さなければいけません。これは、人間に限らず、すべての生き物に共通する原則です。
捨ててしまってなお、気持ちが向いたままというのは、よほど大切な物だったのだろうと思います。
でも、そんな大切なものでさえ、いずれ手放す運命にあったもの。
そして、今、目の前にある物もゆくゆくはすべて手放すことになります。
処分した物のことを考える時間のうち、少しの時間でいいので、いま、目の前にある物のことを考えてみてください。
そうして過ごしているうちに、だんだん「いま、目の前にある物を大事にしよう」という穏やかな気持ちになっていきますように。
ただ、大切な物の思い出は、死してなお、誰にも没収されない自分だけのものです。大切にされてくださいね。
後悔しない断捨離®をするために
断捨離®はうまく使えば、劇的に人生を変えることができる有効なツールだと、わたしは確信しています。
実際、わたし自身は多くの物を断捨離®してきましたが、捨てて後悔したものは『ひんやり敷マット』だけ。それもひとつの学びだった、と、いままさにこの記事をまとめながら自分自身を納得させています(笑)。
しかし、物は一度捨ててしまうと取り返しがつかないというのも事実。
捨ててしまうと後悔しそうという場合、まずは捨てようと思うものをゴミ袋に入れて、しばらく収納や物置など目につかない場所に置いておき、執着心を切り離すことからはじめてみてください。
それをしたうえで、物が無くなった空間を心地よく思うのか、その物が無くなったことを後悔する時間が続くのか、いまの自分の心に全力で向き合って決めればいいのです。
わたし自身、猫たちや亡き愛犬たちの遺骨など、執着が捨てられないものも多々ある未熟な身。
モノに対する執着心を手放す。本当に『言うは易く行うは難し』ですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また☻
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