本を読みたいと思っているのに、なかなか続かない。
買った本が途中で止まっている。
久しぶりに読書を始めても、数日すると読まなくなってしまう。
そんな経験がある人は少なくないと思います。
わたしは読書が唯一の趣味です。もちろん、日によって、あるいは本によっては、なかなか文字が頭に入ってこないこともありますが、基本的に本を読まない日はありません。
今回は、いまは読書習慣がまったくないけれど、これから本を読む習慣を身につけたいという方に向けて、わたしなりにおすすめしたい方法をまとめます。
最初から難しい本を1冊読み切る必要はありません。
はじまりは、絵本でも、児童書でも、図解の多い本でも構いません。
大切なのは、まず「本を読む」という行為そのものへの「心のハードルを下げる」ことです。
これまであまり読書習慣がなかった人でも試しやすい、本を読む習慣をつける8つの方法を紹介します。本が好きなひとりとして、読書人口が増えてくれるとうれしく思います。
読書を習慣にするなら「1冊読み切る」にこだわらない
最初にお伝えしたいのは、ある本を読み始めたからといって、必ずその本を最後まで読み切る必要はないということです。
そんなふうに考えてしまうと、いつの間にか読書が「やらなければならないこと」になってしまいます。
しかし、今の自分には難しかったり、どうしても興味が持てなかったりする本もあります。わたし自身も「目次だけで満足して、中身は読まなかった本」が山のようにあります。
経済産業省によると、
国内で年間に発売される新刊書は約7万冊。1日に約200冊が新たに発売される計算
経済産業省ウェブマガジン(https://journal.meti.go.jp/honya/37610/)
とされています。
世のなかには、それほど膨大な数の本があるのです。合うものがあれば、合わないものがあるのも当然です。
今の自分にはちょっと難しいと思った本でも、数年後に読み直したときには面白く感じることもありますし、興味がないと思ったのなら、読まないことにしてもいいんです。
読書を習慣化したいのであれば、まずは「読んでいて楽しい、面白い、ためになる」などポジティブな感情を得られる本だけを選ぶようにしてみてください。
読書自体に慣れてきたら「文字ばかりの難しそうな本」や「あまり興味のないジャンルの本」についても、次第に楽しみ方が分かるようになってきます。
「何冊読み切ったか」を目的にせず、「毎日、本を手に取る時間が取れたか」「面白いから読みたいと思える本が見つかったか」など、読書に抵抗がなくなる目的を作り、それを達成するほうが大切だと思います。
まずは自分が読みやすい本から始めてみましょう。
読書を習慣づけるための8つの方法
まずは絵本から読んでみる
「いい大人が絵本って……」と思う人もいるかもしれませんが、絵本だからと侮れません。
子どものころには単純なお話だと思っていた作品でも、大人になってから読み返したとき、まったく違う見方ができることに気づかされる本は少なくありません。
短い文章だからこそ、一つひとつの言葉が印象に残る作品は多々あります。
子どものときは素直に受け取っていた登場人物の言葉が妙に引っかかったり、
「このウサギの言動は不自然だ…」と主人公のとった行動の裏の意図を考えてみたり。
また、絵本には大人の世界ではなかなか使われない「面白いオノマトペ」を使った文章が出てくるのも魅力です。
文字がたくさん並んだ本だけがすぐれた読み物ではありません。
読書を習慣にしたいと考えているのであれば「大人なら名作と言われる文学やビジネス書を読まなければ」という固定観念はひとまず捨てて、まずは気楽に開くことができる絵本から始めてみるのもおすすめです。
子ども向けに書かれた名作を読んでみる
読みたい作品はあるけれど、文章が難しそうで手を出せない。
そんな場合には、子ども向けに編集された名作を探してみる方法もあります。
たとえば、わたしのおすすめは(正直まだまだありますが、厳選すると)、
などです。大人になってから読んでも面白い児童向け小説は、大人が考える以上にたくさんあります。
子ども向けだから内容が薄い、などということはありません。
むしろ児童書では、意図的に難しい表現を省いているため、物語そのものに集中しやすく、「長い文章を読むことにまだ慣れていない」という人にはちょうどよい入口になります。
何より、子どもにも分かるように書かれた文章は、語彙を増やしたり、難しい言葉をやさしく言い換えたりするための練習にもなります。

相手によっては会話をする際に「難しい言葉を簡単な言葉へ言い換える」必要があることもあります。そういうとき、難しい言葉を知っているだけでは、うまく相手に伝わらないこともあります。
たとえば、わたしは児童書を読みながら、
などを考えてみるのですが、これも「大人ならではの、ためになる読み方」だと思っています。
もしも、子どものころに好きだった本があるのであれば、いま一度、探して読み返してみるのもおすすめです。
昔とは違う人物に共感したり、まったく気づかなかった場面が印象に残ったりするという面白い経験ができるかもしれません。
文字が大きく読みやすい本を選ぶ
本を読もうという気持ちはあるのに、なかなかページが進まない場合、本の内容ではなく、単純に「文字を追うこと」で目が疲れているケースも考えられます。
文字が小さく、行間も狭い本は、それだけで読むのにエネルギーを使います。
そういう方には「大活字本」と呼ばれる本がおすすめです。普通の本より文字の大きさが大きく、とても読みやすくなっています。
これらの本は、一般的に、ご高齢の方や目の不自由な方が読むものとして認識されているかもしれませんが、それだけの利用ではもったいないほどに便利なものです。
わたしは、文章力アップのために夏目漱石氏の「こころ」のタイピング模写を習慣化しているのですが、パソコン用の眼鏡をかけていると手元が見にくいので、模写の際に利用する本として使用しています。
また、わたしに子どもはいないので試したことはありませんが、読書に対して興味の出てきた子どもに読ませる本としても余白にルビを打ったり、メモを書き込んだりできる大活字本は秀逸ではないかと思っています。
図書館に置いてあることもありますし、そこそこ大きな書店であれば、置いてあるか、置いていなくても取り寄せができる場合もあります。
ただ、文字の大きさは好みがありますので、購入する前には書店や図書館で実際にページを開いて、
「このくらいなら読みやすそう」
と思えるものを選ぶようにするのが安心です。
本の内容だけではなく、文字の大きさ、行間、ページの余白なども含めて、「読みやすさ」で本を選んでみると、よい出会いができるかもしれません。
図解やイラストが多い本を選ぶ
大人向けのビジネス書や哲学書などの中にも、
「見るだけ」
「図で読む」
「イラストでわかる」
といったタイトルの、図解やイラストを多く使った本もあります。
文章だけのものより図やイラストがあることで全体像をつかみやすくなり、その後に詳しい本を読んだときの理解を助けてくれることもあります。
資格の参考書でもイラストを多く使っているものをよく見かけますが、これも、いきなり細かな説明を読むより、最初に全体像(イメージ)を知っていたほうが理解しやすいことがあるためです。
読書も同じです。
最初から専門用語だけで書かれたものを読む必要はありません。まずは、図やイラストを見て「なんとなく分かった」くらいのところから始めて、もっと詳しく知りたくなったときに、次の難易度の本へ進めばよいと、わたしは思います。
株式会社西東社から発売されている「イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める!」シリーズはおすすめです。
オーディオブックで本を聴く
どこかに落ち着いて本を読む時間がなかなか取れないという場合には、オーディオブックを使う方法もあります。
朗読されたものを聴くだけで、文章を目で追う必要がないため、
このような、体は使っているけれど耳は空いている時間を読書時間に変えられます。
「聴くだけは読書と言えるの?」という疑問はあるかもしれませんが、そこはそれ、です。
わたし自身は紙の質感とページをめくる指先の感触が好きなので、紙の本で読むことが多いですが、散歩中などはオーディオブックを利用することも多々ありますし、青空文庫などの電子書籍で読むこともしばしばあります。

要は「本が読めれば何でもいい」のです。
あれはダメ、これが正しい、という自分だけの縛りを持つことは自由ですが、それが自分の行動範囲を狭めるだけになっているのであれば、ちょっともったいない気がします。
読書習慣をつける目的が「本から物語や知識を得ること」なのであれば、必ずしも紙に書かれた文字を目で追う必要はないと、わたしは思います。
もちろん、オーディオブックで興味を持った作品を、その後あらためて紙の本で読むという使い方もできます。
\読書時間の作り方はこちらの記事でもまとめています。/
タイマーをセットして10分だけ読む
「読書のための時間を取る」というと、何だか大仰に聞こえますよね。
タイパ、コスパという言葉がよく使われる現代において、わざわざ本を読むだけのために時間を取ることをもったいなく感じる気持ちも分かります。
そういうときは、ひとまず、スマートフォンなどでタイマーを10分にセットして、その時間だけ本を開いてみましょう。10分経ったら、そこでやめても構いません。
10分で終われると思えば、忙しい日常の中でも読書を習慣化しやすくなります。
続きが気になれば、時間が許す限り読んでもいいし、もちろん、本当に10分でやめても大丈夫です。
1日10分でも、一週間続けられれば70分は本に触れたことになります。
長時間読めば必ず記憶に残る、という保証もありません。1日10分でも集中して読むことができれば、それは立派な読書習慣です。
続きが気になるミステリーを読んでみる
本を読む習慣を身につけたいなら、やるべきことばかりが書いてある「ビジネスに役立つ本」よりも、純粋に読むのが楽しい「続きが気になる本」を選ぶのもひとつの方法です。
その代表がミステリー。
疑問が残った状態でページを閉じると、その続きを知りたくなります。
すると翌日も自然に本を開きやすくなります。
もちろん、ミステリーでなければならないわけではありません。
恋愛小説でも、ファンタジーでも、歴史小説でも構いません。
「時間があったら読もう」ではなく、
「続きが読みたいから時間を作ろう」
と思える本を1冊見つけられれば、読書習慣をつける大きなきっかけになるでしょう。

わたしがミステリーにはまったきっかけは、横溝正史氏の「夜歩く」。はじめて「あの形式」のトリックに触れ、子どもながらに衝撃を受けました。以来、ずっと氏の愛好家で、ほかの推理作家さんの本も読むようになりました。ミステリーはいいぞ!
薄い本や短編集を読んでみる
本を読み慣れていない時期には、分厚い本を見るだけで気が遠くなることがあります。
そんなときは、薄い本を選んでみましょう。短編集やエッセイ集、詩集もおすすめです。
有名どころの短編集だと星新一氏や夏目漱石氏などが読みやすいかと思いますが、わたしは阿部公房氏も好きです。
あるいは、薄くて有名な本ということであれば、「方丈記」もいいですね。岩波文庫を探してみると、ほどよく難しく、ほどよく薄い本はたくさん見つかると思います。
一つひとつの話が短いため、「今日は一編だけ読もう」という読み方ができますし、ひとつの話を読み終えることができれば、その都度、達成感も得られます。
まずは、薄い本や短い本などで「1冊読み切った」という経験を積むこと。
これも読書を習慣化する上で、大切になる感覚です。
読書に不慣れな段階でいきなり大作を読み切ろうとすると疲れてしまいます。
はじめにボリュームの少ない本を何冊か読むことで「読書を習慣化するのは、それほど大変ではない」という感覚を身につけ、そこから少しずつ量のある本に挑戦しても遅くありません。
まとめ|読書習慣をつけるために「読むハードル」を下げよう
読書を習慣にしたいのであれば、まずは「本を読む」という行動に対するハードルを徹底的に下げましょう。
どれも立派な本との付き合い方です。
大切なのは、
と、自分で読書のハードルを上げすぎないことだと思います。
1日に数行しか読めない日があってもいいんです。
興味がなくなれば、途中で別の本に移っても構いません。
本を読むこと自体に少しずつ慣れてくれば、自然と読む時間が伸びたり、以前なら手に取らなかった本にも興味が湧いたりするかもしれません。
「意外と読書の習慣化は難しくないかも」と思っていただければ、うれしく思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。




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