40代を過ぎ、何かを始めたいと思う人は多いのではないかと思います。
仕事や生活に大きな不満があるわけではない。
けれど、今の暮らしをくり返していくだけの日々に、少しだけ物足りなさを感じる。
そんなとき、選択肢のひとつになるのが「新しく何かを学び始めてみる」です。
最近では、パソコンやスマホがあれば、さまざまなことを学べるようになりました。
プログラミングや動画編集、AIの活用など、今の時代に合ったスキルを学ぶ人もいます。
また、これまでの経験を活かして、キャリアコンサルタントなどを目指す人もいるようです。
ただ、そうした話を聞くと、少し気後れしてしまうこともあります。
たしかに勉強はしてみたい。だけど、プログラミングやAI学習のような今どきのスキルなんて、今の自分にはついていけそうもないし。かといって、活かせるような経験もないし……。
という方におすすめなのが、「これまで学んできたことの学び直し」。これまで、人生のどこかで触れたことのあるものを、いま一度勉強しなおしてみよう、というものです。
やってみたかったけれど、いつの間にか遠ざかっていたもの。
そういうものを、今の自分のペースで学び直してみるのはいかがでしょう。
この記事では、40代から学び直しを始めたい人に向けて、何から始めると続けやすいのかを整理していきます。
40代からの学び直しは、同じ日々のループを抜け出すもの
40代から何かを学ぶというと、「転職のため」「収入を増やすため」「資格を取るため」といった目的を思い浮かべる人も多いと思います。
もちろん、それも大切な目的です。
けれど、「これからの日々に新しい風を取り入れたい」という目的で始める学び直しであれば、必ずしも仕事や収入に直結しなくてもよい、とわたしは思います。
まずは「自分を少し動かすため」でいい
毎日が同じことの繰り返しになっていると、気持ちまで止まっているように感じることがあります。
朝起きて、仕事をして、家のことをして、寝る。
休日も、疲れを取るだけで終わってしまう。
そんな日々が続くと、「何かしたい」という気持ちが一瞬浮かんでも、それはすぐにどこかにいってしまい、結局何をもしないまま同じ毎日をくり返すことになります。
「学び直し」は、この同じ毎日のくり返しのループを断ち切る小さなきっかけになります。
1日に10分でいいんです。
昨日は知らなかった新しいことを知る。
分からなかったことが少し分かる。
できなかったことができるようになる。
それがどれだけささいなことでも、心の中に小さな変化が生まれます。
1日10分の学び直しに、人生を一気に変える力まではありません。
でも、ループにはまって動けなくなっていた自分を、ほんの少しループの外に引っ張り出すことはできます。
40代だからこそ、昔とは違う学び方ができる
学生時代の勉強は、テストや成績のためのものだった人も多いと思います。
英語も、数学も、国語も、社会も、点数で評価されるものでした。
でも、大人になってからの学びは少し違います。
誰かに採点をされるわけではありません。
苦手なところは、そこだけすっ飛ばしてもいいです。
自分にとって必要な部分だけ、面白いと思える部分だけを学ぶこともできます。
40代からの学び直しは、学生時代のように「テストでよい点を取るための勉強」ではありません。もっと自由で、もっと愉快なものです。
学び直しをすることで、今の自分の暮らしがほんの少し豊かになる。
そんな軽やかな気持ちで、取り組んでみてください。
何を学ぶか迷ったら、昔少しでも触れたものから選ぶ
学び直しを始めたいと思っても、迷うのが「何を学ぶか」です。
最近では、本にしても無料動画にしても、学べるものがたくさんあります。
プログラミング、動画編集、Webデザイン、IT、AI技術、マーケティング、投資、語学、資格、介護、料理、栄養学、手芸、文章、歴史、インテリア、収納術、心理学などなど。
選択肢が多すぎると、かえって分からなくなってしまう気持ちも分かります。
そんなときは、まったく知らないものに挑戦する前に、昔少しでも触れたことがあるものの勉強から始めてみるのがおすすめです。
一度はそれに触れた経験があるので、「やりたいこと」が見つかりやすく、そうなると勉強の目標立てやスケジュール管理などがしやすいからです。
それらで勉強習慣をふたたび身につけた後であれば、まったく知らない分野の勉強にもトライしてみようかという気持ちも湧きやすくなるのではないかと思います。
英語は「もう一度やってみたい」が起こりやすい
英語や英会話には、多くの人が一度は触れたことがあるのではないでしょうか。
得意だった人もいれば、苦手だった人もいると思います。わたしは英会話が苦手でした。
単語テストや文法問題の記憶が強くて、あまり楽しい印象がない人もいるかもしれません。
けれど、
こうした目標があれば、試験勉強とは違う感覚で始められる気がしませんか。
完璧な文章が書けなくても「少し会話が聞き取れるようになる」だけでも、見える世界は広がります。

わたしは好きな映画を英語で聞き取れるようになりたくて、勉強を始めました。といっても、空いた時間に英語のまま映画を流すだけです。それでも、同じシーンをずっと見続けているので、だんだん言葉が聞き取れるようになってきました。
簿記はお金の流れを知るきっかけになる
簿記も、40代から学び直す題材として向いています。とくに、個人事業をしている自営業者や家計の流れを知りたい方、もっと貯金をしていきたいと考えている方には、役に立つのではないかと思います。
簿記の考え方を少し知るだけでも、お金の流れを整理しやすくなります。
売上と利益は違う。
収入があっても、支出が多ければお金は残らない。
資産、負債、費用、収益という考え方がある。
何となくは知っていても正確には知らなかった部分を知ることで、「なぜ自分はお金を貯められないのか」「どうすれば、自分の理想とする収支目標を達成できるのか」なども分かるようになるかもしれません。
資格取得まで目指さなくても、入門書を一冊読んでみるだけでも十分です。
40代になると、お金のことを避けて通るのは難しくなります。
だからこそ、簿記のような基礎的な知識を少し学び直してみるのも良いと思います。
手芸や文芸は、自分の時間を取り戻す学びになる
学び直しというと、仕事に役立つものを選ばなければいけない気がするかもしれません。
でも、手芸や文芸のように、自分の楽しみにつながる学びも選択肢に入れてみるべきです。
編み物、刺しゅう、ミシン、小物作り。
短歌、俳句、エッセイ、小説、読書感想文。
手芸作品の販売を扱うものでいうと、有名どころでは、minneやCreemaなどのハンドメイド専用アプリもあります。あるいは、文芸ならnoteやカクヨムなどに登録して、自分の作品を披露してみるのも楽しいかもしれません。
自分の楽しみのためにしていたことが、いつか収入につながっていくことだってあり得ないことではありません。実際にゼロから始めて収入につなげた人もいます。
40代になると、仕事や家事や人間関係に時間を取られ、自分のためだけに何かをする時間が減っていきます。
だからこそ、手芸や文芸のような、コツコツと自分と向き合う学びは、「自分の時間を取り戻す練習」にもなります。
読書は一番始めやすい学び直し
何を学べばいいかわからないときは、読書から始めるのもおすすめです。
読書は、自分のペースで進められます。
途中で止めてもいい。
気になる章だけ読んでもいい。
図書館を使えば、お金をかけずに始めることもできます。
年を重ねたことで、昔はよくわからなかった文章が、今なら少しわかることがあります。
若いころは響かなかった言葉が、40代になってから胸に残ることもあります。
先人の書いたものからは、さまざまな叡智を学ぶことができます。
自分より若い人の書いた本からは、新しい知識を得ることができます。
学び直しの入口として、読書はとても始めやすい方法です。
なかなか時間が取れない方はオーディオブックもおすすめです。わたしは、オーディオブックのおかげで月に5冊ほど新しい本を読むことができています。
学び直しを続けるには、最初から大きな目標を立てすぎない
学び直しを始めるとき、つい大きな目標を立てたくなります。
目標を持つことは良いことです。
ただ、若いころと違って最初から大きすぎる目標を立てると、続かなくなることもあります。
1日10分でも、始めれば前に進んでいる
40代の毎日は、思っている以上に忙しいです。
仕事、家事、親のこと、自分の体調、将来のお金のこと。
若いころのように、自分だけに使える時間は少なく、まとまった時間や体力があるとも限りません。
だからこそ、大きな目標はいったん横に置いて、小さな学び直しから始めたほうが続きやすいです。
このくらいでも、何もしない日とは違います。
まずは、1日10分。
自分の生活の中に、「学ぶための時間を取る」ところから始めましょう。
「毎日やる」より「やめない仕組み」を作る
学び直しを続けるには、気合いだけに頼らない方がいいです。
やる気がある日はできます。
でも、疲れている日や気分が乗らない日は、どうしても手が止まります。
そこで大切なのは、「毎日完璧にやる」ことよりも、「完全にやめない仕組み」を作ることです。
たとえば、
このように、始めるまでの手間を減らしておくと、再開しやすくなります。
あるいは、「したくない」と思っているのなら、いっそやめてみて、新しいことを始めるという方法もあります。
学び直しは、自由です。
疲れたなら止めてもいいし、興味がなくなったなら途中で方向転換してもいい。
一度止めてみたら「やっぱり楽しかった」と気づくこともあるかもしれませんし、新しく進んだ道で運命の出会いをすることだってあり得ます。
記録を残すと、小さな成長に気づきやすい
もしも記録をつけることが苦でないのなら、学び直しを続けるにあたって、簡単な記録を残すのもおすすめです。
記録といっても、立派なノートを作る必要はありません。
そのくらいで十分です。
学び直しは、すぐに結果が見えないことも多いです。
だからこそ、記録を残しておくことで「少しずつ進んでいる」と自分の変化に気づける仕組みを作っておくことも大切です。
わたしは、セリアのミニシールに「読んだ本」と「観た映画」のタイトルだけ書き込んで、スケジュール帳の読んだ日、または観た日に貼るようにしています。

まずは「少し気になるもの」をひとつ選んでみる
学び直しについて考えてみたときに、何を始めようか迷うのは自然なことです。
そんなときは、「一生続けるもの」を選ぼうとせず、「1日だけ試してみたいもの」を選んでみるといいと思います。
まずは1日だけ試してみる
いきなり長期計画を立てると、重くなります。わたしは1週間でも長いと思います。
まずは休日1日を使って、1日だけ試してみましょう。
それで合わなければ、別のものに変えてもいいと思います。
一度選んだんだから絶対にそれを続けなければいけない、なんてことはありません。
1日だけ試してみて、合うかどうかを見る。違うと思ったら方向を変える。
それも、大人の学び方のひとつです。

こちらは、わたしがたまに見ているYouTubeチャンネルです。タイトルは、『イギリスの田舎で一日を始める方法 | Comprehensible Input』。イギリスの風景、スーパーマーケット、料理、ガーデニング、ペット。見ているだけでも楽しいです。
「役に立つか」だけで選ばなくてもいい
これから学ぶものを決めようというとき、大人だから仕方がないのですが「これは何の役に立つのか」と考えてしまうことがあります。
もちろん、役に立つかどうかは大切です。
時間も体力も限られているので、無駄なことはしたくないと思うのも自然です。
でも、最初から役に立つかどうかだけで選ぶと「本当に自分がしたかったことを選べなくなる可能性」が出てきてしまいます。
ちょっと面白そう。
昔から気になっていた。
本屋や図書館で、なぜか目に入る。
できるようになったら、多分嬉しい。
そういう感覚も大切にしていいと思います。
自分が少しでもやってみたいと思えるものが、今の自分に必要なものなのかもしれません。
学び直しは、小さな自信を取り戻す時間になる
40代から学び直しを始めるなら、最初から大きなことを目指さなくても大丈夫です。
それだけでも、「自分はまだ何かを始められる」と感じるきっかけになります。
何を学べばいいか分からないときは、最新の技術を新しく学び始めるのもいいですが、昔少しでも触れたものから選んで「学び直し」てみるという考え方もあります。
大切なのは、立派な目標を立てることよりも、小さくでもいいから始めてみること。
何歳からでも、学び直しはできます。
そして、その小さな学びの時間が、これからの毎日を少しずつ変えてくれるかもしれません。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。




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