「好きなことを仕事にしよう」
「やりたいことを見つけよう」
「これからの人生、自分らしく生きよう」
そんな言葉を見かけるたびに、なんだかもやもやしてしまうことがあります。
自分らしく生きたい気持ちはある。
今のままでいいとは思っていない。
何かを変えたい気持ちもある。
けれど、いざ「自分は何が好きなのだろう」と考えてみると、はっきり答えられない。
若いころは、もっと簡単に「好き」と言えていた気がするのに、40代になった今は、好きなことも、やりたいことも、よくわからなくなっている。
そんなふうに感じることはないでしょうか。
でも、好きなことがわからないからといって、「好きなことが何もない」わけではないと思います。
ただ、毎日の生活に追われる中で、自分の気持ちを後回しにする時間が長くなっているだけかもしれません。
この記事では、「好きなことがわからない」と感じたとき、自分を見つめ直すためにできる小さな方法について考えてみました。
40代になると、好きなことがわからなくなることがある
40代になると、若いころとは少し違う迷いが出てくるように思います。
日々、やることに追われ、目の前の生活をこなすだけで一日が終わってしまう。自分が何を好きで、何をしたいのかなんてことを考える時間さえ取れなくなっていく。
自分のことはいつだって後回し。そんな40代は少なくないと思います。
「好き」より「しなければならない」が増えていく
大人になると、どうしても「好きだからやる」よりも、「必要だからやる」ことが増えていきます。
べつに好きではないけれど、生活のために働く。
自分がしないとまわらないので、仕方なく家のことをする。
周りに迷惑をかけないように、きちんとしなきゃと気を張っている。
もちろん、平穏な日常を守るためには、それらの仕事も大切です。
けれど、「しなければならないこと」ばかりを優先していると、自分の小さな希望や好奇心は、だんだん後ろの方へ追いやられてしまいます。
そして、気づいたときには、
「自分は何が好きだったんだろう」
「何をしていると楽しかったんだろう」
と、わからなくなってしまうのかもしれません。
好きなことがわからないのは、感性がなくなったからではない
自分のやりたいことや好きなことがわからないと、自分には夢中になれるものがないのだと思ってしまうことがあります。
でも、それは感性がなくなったからではないとわたしは思います。
そういうことが積み重なって、好きなことが見えにくくなっているだけかもしれません。
好きなことは、突然大きな夢として見つかるものではなく、日々の中にある小さな反応から少しずつ見えてくるものなのだと思います。
いきなり「本当に好きなこと」を探さなくていい
「好きなことを見つけよう」という話になると、ついつい大きなものを探そうとしてしまいます。
それは、たとえば、
のようなもの。
けれど、「今、自分が好きなものがわからない」という人が、最初からそこまで大きなものを探そうとすると、かえって見つかりにくくなってしまうのではないかと思うのです。
「好き」ではなく「少し気になる」から始める
好きなことがわからないときは、「好きなこと」を探すよりも、「少し気になること」を拾ってみるくらいがちょうどいいと思います。
たとえば、
こうした小さな反応の中に、自分の興味が隠れていることがあります。
この段階では、まだ「これが私の好きなことです」と言い切れないものでもOKです。
まずは、「少し気になる」くらいのものを見つける。そこから始めてみるのがよいかと思います。

わたしが最近興味を持っているのは、フェルト細工です。猫がいて花が飾れないのですが、フェルト細工の花なら飾れるんじゃないかな、と思って。近々、セリアでフェルト生地を買ってきて試してみようと思っています。
好きなことは、役に立たなくてもいい
40代になると、何かを始めるときに「これが何の役に立つのか」と考えがちです。
収入につながるのか。
仕事に生かせるのか。
人に評価されるのか。
時間を使う価値があるのか。
「好きなことをやって、収入も増やしたい」ということであれば、「それが収入に直結するか」という現実的な視点をもつことはもちろん大切です。
けれど、好きなことを見つける段階では、役に立つかどうかを急いで判断しなくてもいいのではないでしょうか。そもそも、その「少し気になること」が自分のなかで「好きなこと」まで発展するか、まだその段階ではわからないからです。
「それ」をしているとき、
という感情が湧くようであれば、それだけでも、今の自分の本音を見つめ直すきっかけになります。
役に立つかどうかより、まずは自分の心が少し動くかどうか。
そこを見てあげることが、好きなことを見つけたり、思い出したりする第一歩になるのだと思います。
好きなことがわからないときは、嫌なことから整理してみる
好きなことがすぐに出てこないときは、反対に「嫌なこと」「もう減らしたいこと」から考えてみるのもひとつの方法です。
好きなことより、嫌なことの方が思いつきやすいこともあります。
「本当はしたくないこと」を書き出してみる
たとえば、
こうした「本当はしたくない」「減らしたい」と思っていることを書き出してみると、自分が本当はどんな時間を大切にしたいのかが見えてくることがあります。
好きなことがわからないときは、いま現在、心の中にいろんなものを背負いこみ過ぎているのかもしれません。
まずは、「これはもう少し減らしたい」と感じていることを自分自身が認識し、それを受け止め、減らしていくことも自分を見つめ直す大切な作業です。

嫌なことの裏側に、望んでいる暮らしがある
嫌なことを整理していくと、その裏側に自分が望んでいるものが見えてくることがあります。
人に合わせすぎるのがつらいなら、本当は自分のペースを大切にしたいのかもしれません。
忙しすぎる毎日に疲れているなら、本当は静かに過ごす時間がほしいのかもしれません。
家の中が散らかっていることが気になるなら、本当は落ち着ける空間で暮らしたいのかもしれません。
何もしていない自分を責めてしまうなら、本当は少しでも前に進んでいる実感がほしいのかもしれません。
「嫌だ」「つらい」と感じる気持ちを、ただのわがままと割り切ってしまわないでください。
それはきっと、自分の心が「本当は何を大切にしたいと思っているのか」を教えてくれる、ひとつのメッセージでもあるのだと思います。
「何をしたいのかわからない」と感じるときは、先に「もう少し減らしたいこと」を整理してみるのもひとつの方法です。
わたしが実際に作ってみた「しないことリスト」については、こちらの記事で紹介しています。
過去に夢中になったことを思い出してみる
好きなことがわからないときは、今の自分だけで考えようとせず、過去の自分を振り返ってみるのもおすすめです。
子どものころ、学生のころ、20代のころ。
時間を忘れてやっていたことはなかったでしょうか。
子どものころに好きだったことを思い出す
子どものころに好きだったことは、意外と今の自分にもつながっていることがあります。
それが今すぐ仕事や収入につながるとは限りません。
でも、「昔から自分はこういうことに心が動きやすかったのか」と気づくだけでも、自分を見る目が少し変わるはずです。
好きなことは、まったく新しいところから探すこともできますが、昔の自分の中に残っているものの中から見つかることも珍しくありません。
今の暮らしに合わせて、小さく「おためし」してみる
昔好きだったことを見つけたならば、まずは小さいところから「おためし」してみましょう。
40代から新しく何かを始めようというときは、いきなり本格的にやろうとせず、まずは、今の暮らしに入れられる小さな形にしてみる。
そのくらいの方が、気負わず続けやすくなります。

40代になると、ほんの少しお金に余裕が出てくるので「道具を集める」ところから始めたくなってしまいます。ですが、本当にそれを楽しいと思えるか、自分の心と折り合いがつくまでは、ひとまず我慢です。(じゃないと、結局断捨離することになります)経験者より
自分を見つめ直すために、書き出してみる
頭の中だけで考えていると、同じところをぐるぐる回ってしまうことがあります。
そんなときは、紙やノートに書き出してみると、自分の気持ちが少し見えやすくなります。
まずは思いつくままに書いてみる
書き出す言葉は、きれいにまとめようとしなくて大丈夫です。
こんなふうに、思いついたことをそのまま書いてみます。
書いているうちに、最初はぼんやりしていた気持ちの中から、少しだけ「好き」の輪郭が見えてくることがあります。
すぐに答えを出そうとせず、深呼吸して自分の気持ちを目に見える状態にしてみる。それだけでも、頭の中や心の中が少し整理されるということはあります。
マインドマップやリストにしてみるのもおすすめ
文章で書くのが難しいと感じるときは、マインドマップのように、イラストや色をたくさん使って言葉をつなげていく方法もあります。
中央(セントラルイメージ)に「わたしの好きなこと」と書いて、そこから、
などをブランチにして広げていくことで、頭の中で考えるだけでは気づかなかった考えが出てくることがあります。
また、「やりたいことリスト」や「しないことリスト」を作ってみるのも、自分を見つめ直すきっかけになります。
マインドマップなどを書く目的は「誰かに誇れる立派な答えを出す」ことではありません。
自分の中にある小さな気持ちを、見える形にしてあげること。そこから、次につながる何かが少しずつ見えてくることだって十分にあり得ます。
頭の中だけで考えていると、同じ悩みをぐるぐる考えてしまうことがあります。
そんなときは、マインドマップを使って気持ちを書き出してみるのもおすすめです。実際に作ってみた流れは、こちらの記事にまとめています。
小さく試して、合わなければ変えてもいい
好きなことを見つけようとして、何かを始めたとき、大人になるほど「これを自分のものにするためには、満足がいくまで続けなければいけない」と考えてしまうことがあります。
でも、そんなに重く考えなくてもいいのではないでしょうか。
「試しに軽くやってみて、あんまりしっくりこなかったらやめよう」くらいの気持ちで始めるのが、ちょうどいいのではないかとわたしは思っています。
まずは1日10分だけ試してみる
気になることが見つかったら、まずは「少しのお金でできる」「それほど時間がかからない」軽いものから試してみるのがおすすめです。
これくらいなら、始めるハードルだけではなく、やめるハードルもそれほど高くありません。
好きかどうかは、頭の中で考えているだけではわかりにくいものです。
少しだけやってみて、どう感じるかを見てみる。
楽しいと思えば続ければいいし、思っていたのと違えば別のことを試せばいい。
それでいいのだと思います。
合わなかったことも、無駄にはならない
何かを試してみて、「これは違った」と感じることもあります。でも、それは「単なる失敗」ではありません。
自分には合わないことがひとつわかった。
思っていたほど興味がないとわかった。
逆に、別のことが気になり始めた。
そう考えてみると、合わなかった経験も、自分を知るための材料になります。
「自分ではない誰かの大きな夢」や「SNSで見かけたキラキラした生活」などに惑わされず、まずは、少し気になることを小さく試してみる。
自分自身の心にしっかりと寄り添っていく気持ちが、自分の中に眠る「好きなこと」を見つけ出し、引いてはこれからの自分を作っていくのだと思います。
好きなことは、思い出の中にあることも
40代で好きなことがわからなくなるのは、めずらしいことではないと思います。
毎日の生活をこなす中で、自分の気持ちを後回しにしてきた。
周りに合わせることを優先してきた。
失敗しないように、無理をしないように、自分を守ってきた。
だからこそ、急に「好きなことを見つけよう」と言われても、すぐに答えが出ないのは自然なことです。
好きなことがわからないときは、今すぐに「絶対的なもの」を見つけ出そうとせず、
そのくらいの小さな一歩から始める気持ちで十分だと思います。
好きなことは、まだ見ぬ遠い場所で見つかることもあれば、今まさに自分の中にあって、ふたたび見つけてもらえるのを静かに待っていることだってあり得るものです。
40代。未経験のこともまだまだあるけれど、経験してきたこともたくさんあるはずです。
これまでの人生を実直に生きてきた自分自身も大事にしながら、ぜひ、ゆっくり今の自分にも向き合う時間を作ってみてください。
その時間の中で、忘れていた好きなことや、これから大切にしたいものが、少しずつ見えてくるかもしれません。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。





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