今回はペットに処方された薬に副作用の報告がないか、自分で調べる方法についてまとめてみました。
現在飲ませている薬や使用している薬について、何かしら気になることがあるという方の参考になれば幸いです。
【フロントラインプラス ドッグ】で検索してみる
今回はノミ・ダニ駆除薬でおなじみの「フロントラインプラス ドッグ」をモデルにして、調べ方をまとめていきます。
【商品名】 | フロントラインプラス ドッグ |
【成分・分量】1mL中 | フィプロニル:100.0mg (S)-メトプレン:90.0mg |
【製造販売業者】 | ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルスジャパン株式会社 |
【販売元】 | 日本全薬工業株式会社 |
動物用医薬品等データベースを開く
今回参照するのは、農林水産省の動物医薬品検査所(https://www.maff.go.jp/nval/)のホームページ。
こちらを開くと「キーワード」と書かれたブロックの中に「動物用医薬品等データベース」という項目があるので、こちらをクリックします。
すると以下のような画面になります。
今回は、薬の名前(品名)から、主成分から、製造販売業者名から、それぞれ調べる方法をまとめていきます。
- 薬の名前から調べる方法
- 薬の主成分から調べる方法
- 製造販売業者名から調べる方法
❶薬の名前から副作用の有無を調べる方法
「品名」の欄に薬の名前を入力
薬の名前から調べたいときは、品名のところに薬の名前を入力します。
品名に「フロントライン」と入力して「検索」をクリック。
「品名」の横にあるボックス型のアイコンをクリックすると「品名一覧」が表示されますので、そこから薬品名を選んでクリックすることもできます。
すると、品名に「フロントライン」を含むものが表示されます。
右のほうに「副作用」という欄があり、副作用の報告があるものは、ここに「有」の文字が表示されます。
今回のケースでは、表示されたすべてのものに副作用の報告があることがわかります。
より詳細な情報を確認したいとき
より詳細な情報を確認したいときは、書かれた文字のある列をクリックします。
今回は「フロントライン プラス ドッグ」を調べますので、一番下の項目をクリックしてみます。
すると、以下のようなページが表示されます。
このページをずっと下までみていくと、一番下に「副作用情報」が載っています。
さらに詳細を確認したいときは、みたいところの文字列の上をクリックすることで、個別の情報をみることができます。
知ることができる副作用情報の内容
個別の情報をクリックすると、以下のような内容の副作用情報を知ることができます。
❷薬の主成分から副作用の有無を調べる方法
次に薬の主成分から副作用の有無を調べていきます。
こんどは「主成分」と書かれた箇所に薬の主成分「フィプロニル」を入力して、「検索」をクリックしてみます。
こちらも「主成分」の横にあるボックス型のアイコンをクリックすると「主成分一覧」が表示されますので、そこから主成分名を選んでクリックすることもできます。
すると、先ほどとは異なり、今度は「フロントライン」以外にも「フィプロスポット」「ブロードライン」「マイフリーガード」など、同じ成分を含む薬品が出てきます。
あとの見方は【薬の名前から調べる】ときと一緒です。
ちなみに、「フロントライン プラス ドッグ」の主成分は「フィプロニル」「(S)-メトプレン」の2つがありますので、もちろん「(S)-メトプレン」と入力して調べることもできます。
その場合、「(S)-メトプレン」を成分に含むものが表示されますので、上記のものとはちがう結果が得られます。
❸製造販売業者の名前で調べる方法
製造業者や販売業者の名前で調べたいときは「製造販売業者名」と書かれた箇所に業者名入力します。
フロントラインの場合は「ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社」ですね。こちらを入力して「検索」をクリックします。
おなじく「製造販売業者」の横にあるボックス型のアイコンをクリックすると「製造販売業者名一覧」が表示されますので、そこから業者名を選んでクリックすることもできます。
すると、「ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社」が製造販売業者として登録されているすべての薬品が表示されます。
あいうえお順なのでとても検索しやすいです。
現時点で「フロントライン プラス ドッグ」は86番目に表示されていました。
おまけ:薬の目的(製剤区分)から調べる方法
最後に、「何を目的とした薬なのか(製剤区分)」から調べる方法を記載していきます。
まず、「製剤区分」と書かれた横のボックスをクリックします。
すると、以下のような画面になりますので、調べたい薬の目的を選んでクリックします。
今回の「フロントライン」の場合は、「防虫剤・殺虫剤」になりますので、こちらをクリック。
製造区分に「防虫剤・殺虫剤」と表示されたのを確認して「検索」をクリックすると、同じ目的の薬剤が下にずらっと表示されます。
こちらもあいうえお順ですので、探しやすいと思います。
現時点で「フロントライン プラス ドッグ」は11ページ目にありました。
これらの情報を見るうえでの注意点
因果関係がない場合も掲載されている
副作用報告事例をいくつか見ていただくとわかるのですが、なかには「因果関係はないと考えられる」という事例も掲載されています。
先ほど参照した「フロントライン プラス ドッグ」で見てみると、現時点で報告のある副作用報告は以下の11例でした。
そのうち、「因果関係があると考えられる」というのは1例にすぎず、ほかは「因果関係がないと考えられる」が2例、「因果関係がないとはいえない」「不明」という表現にとどまっているものが8例となっています。
報告年月日 | 因果関係 |
2007/8/21 | 因果関係がないと考えられる |
2008/3/21 | 因果関係があると考えられる |
2012/8/7 | 因果関係がないとはいえない |
2013/4/24 | 因果関係がないとはいえない |
2014/8/1 | 因果関係がないとはいえない |
2014/9/4 | 因果関係がないと考えられる |
2015/2/23 | 不明 |
2016/12/16 | 不明 |
2017/2/9 | 不明 |
2017/9/14 | 不明 |
2017/9/29 | 不明 |
副作用報告が上がっているからといって、それがそのまま『それだけ副作用が生じている』という意味ではないということをご理解ください。
『副作用報告がある』からといって『因果関係のある副作用が生じている』とはいえないケースもある
販売母数が不明なので割合まではわからない
薬品と副作用に因果関係がある場合、何らかの副作用があったことは事実といえます。
しかし、販売母数がわかりませんので、その副作用の割合がどのくらいかまでは、ここの報告をみるだけではわかりません。
100個売れたうちの10個で副作用報告があったのか、1000万個売れたうちの10個で副作用報告があったのかでは、ずいぶん印象は変わります。
「割合によらず、1件でも副作用報告があった薬は使用しない」とすると、使用できる薬品の数は大幅に少なくなるでしょう。私たち人間ですら、ほとんどのヒト用の薬は使用できなくなるのではないかと思います。
販売母数の多いもの(よく利用されている薬)で副作用報告がふえるのは、ある程度やむを得ないことだと私自身は認識しています。
副作用だけではなく、投薬のメリットにも目を向けることが大切
獣医師がその薬をすすめてきたということは、薬を使用することで得られる何かしらのメリットがかならずあるはずです。
「副作用が怖いから、その薬は使用したくないなぁ」という気持ちもわかりますが、もしかすると、その薬を使用することで愛犬・愛猫を今の状況から救うことができるかもしれません。
最終的には【副作用】と【薬のメリット】のいずれをとるかの問題になるかとは思いますが、副作用報告があるからといって頭ごなしに否定するのではなく、気になることは獣医師にしっかり尋ねて、後悔のない決断をされるようにしてくださいね。
こういう副作用があると聞いたけど、
大丈夫でしょうか……
まとめ
獣医師にむかって処方された(あるいは提案された)薬に副作用がないかを尋ねるのは、なんだか診療にケチをつけるような気がしていいにくいのもわかります。
でも、愛犬の体に入るものですから、ちゃんと調べたいと思うのは保護者として当然のことです。
今回は自分で調べる方法を記載してみましたが、これはあくまで補助的に使用していただき、獣医師との信頼関係を高めるためにも遠慮せず、詳しいことについては獣医師に尋ねてみてくださいね。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました(^^)
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