はじめに
書く時間も、書く分量も、その日によってバラバラですが、2か月ほど「感謝ノート」をつけています。
感謝ノートというと、前向きな人が毎日きれいな言葉を書くもの、というイメージがあるかもしれません。けれど、実際にはもっと気軽にはじめられます。
専用のノートを用意しなくてもいいですし、毎日書けなくても十分機能していると感じています。
この記事では、わたしが感謝ノートをどのように書いているのか、続けてみて感じた変化、無理なく続けるためのコツをまとめました。
「自分なんて」と思ってしまう日がある方にとって、少しでも心が軽くなるきっかけになればうれしいです。
感謝ノートとは?小さな「ありがとう」を書き出す習慣
感謝ノートとは、その名のとおり、日々の中で感じた「ありがとう」の気持ちを書き出していくノートのことです。
感謝の気持ちを心の中で思うだけでなく、文字にして残しておくと、「自分はこんなことに助けられていたんだ」「今日はこんな良いことがあったんだ」と、あとから見返すことができます。
感謝の気持ちを可視化できる。これが、感謝ノートのよいところだと感じています。
はじめから専用のノートを用意する必要はありません。
スケジュール帳に書いてもいいですし、ふせんやメモ紙に少しだけ書くのでもよいと思いますし、スマホのメモ帳など、デジタルで記録する形でも十分だと思います。
大切なのは、立派なノートを用意することではなく、自分が無理なく続けられる形にすることです。
わたしの場合は、すべての情報を1冊のノートにまとめる「一元化ノート」を使っており、そのノートに書き込むようにしています。この形にしてからは、思いついたときに、思いついた分量だけ、気軽に書き込めるようになりました。
この「気軽さ」が、2か月続けられた理由だったと思います。

最初はロルバーンのノートを感謝ノート専用にしようと思い、張り切って購入しました。ですが、書くたびにそのノートを取り出すのがだんだん面倒になってしまい、結局あまり続きませんでした。
字がきれいでなくても、文章が整っていなくても大丈夫です。
誰かに見せるためのノートではないので、気を抜いて書けるくらいがちょうどいいのだと思います。
「これなら続けられそう」と思えるものを選んでみてください。
ノートを増やさずに続けたい方は、1冊にまとめる書き方も参考になるかもしれません。
感謝ノートに書くことは、特別なことでなくていい
感謝と聞くと、少し大げさに感じる方もいるかもしれませんが、「ありがたい」「助かった」「うれしかった」と感じたことで大丈夫です。
たとえば、
そういう日常の中にある小さな安心や喜びも、感謝ノートに書いてみましょう。
うれしかったことから書きはじめる
感謝ノートに書くことは、自分が心から「ありがたいな」と感じたことでなければ、あまり意味がありません。「これに感謝しなければいけない」と思いながら書くと、かえって苦しくなってしまうこともあります。
感謝ノートは、自分を追い込むためのものではありません。何に感謝すればいいのか分からないときは、まずは「うれしかったこと」「楽しかったこと」から書いてみるのがおすすめです。
たとえば、こんな感じです。
最初は「ありがとう」と書けなくても大丈夫です。
うれしかったことを書いていくうちに、
というように、自然と感謝の気持ちにつながっていくことがあります。
感謝を探すのが難しいときは、まず「うれしい」「楽しい」「ほっとした」「助かった」と感じたことを、ひとつだけ書いてみてください。

食事・暮らし・人の親切も感謝の対象になる
感謝ノートに書けることは、身近な暮らしの中にもたくさんあります。
たとえば、今日何かを食べたのなら、食べ物を作ってくれた人への感謝があります。料理をしたのが自分なら、自分に「ありがとう」と書くのもいいと思います。
その食材を育ててくれた農家さん。
魚を獲ってくれた漁師さん。
お店に並ぶまで運んでくれた人。
手軽に買える場所を用意してくれたスーパー。
ひとつの食事を考えるだけでも、たくさんの人や物に支えられていることに気づきます。
会社や学校に行くときも同じです。
道路が安全に通れること。
電車やバスが動いていること。
事故に遭わず、無事に目的地に着けたこと。
家で過ごす日にも、感謝できることはあります。
床と天井と壁に守られた場所で過ごせること。
スイッチを押せば電気がつくこと。
蛇口をひねれば水が出ること。
わたしは数年前に地震で被災し、水が出ない、電気が使えないという不自由を数日間経験しました。そのとき、「いつも通りに暮らせること」は、本当に当たり前ではないのだと感じました。
普段は気づきにくいだけで、暮らしの中には感謝できることがたくさんあります。
わたしが感謝ノートに書くのは、主に猫のことです。今は日々の小さなことが本当にありがたく感じます。
元気なときには気づきもしなかったささいなことが、本当にありがたいことだと実感しています。
感謝ノートを続けるコツ
感謝ノートは、気合いを入れすぎると続かなくなることがあります。
毎日きれいな字で書かなければいけない。
前向きな言葉を書かなければいけない。
感謝できない自分はだめだ。
そんなふうに考えてしまうと、せっかくのノートが負担になってしまいます。
感謝ノートは、自分を責めるためのものではありません。ここでは、わたしが実際に続けてみて感じた、無理なく書くためのコツをまとめます。
専用ノートでなくてもいい
感謝ノートは、専用のノートでなくても大丈夫です。
もちろん、お気に入りのノートを用意すると気分が上がる方もいると思います。
けれど、わたしのように「専用ノートを出すのが面倒で続かない」という場合は、普段から使っているノートや手帳の一部に書くほうが続けやすいです。
大切なのは、書きたいと思ったときにすぐ書けること。手に取りやすい物のほうが、感謝ノートには向いているのかもしれません。
毎日書けなくてもいい
感謝ノートは、毎日書けなくても大丈夫です。わたし自身、毎日きちんと書けているわけではありません。書く時間も決めていませんし、書く量も日によってバラバラです。
仕事がひと段落したとき。
猫の寝顔を見て、ほっとしたとき。
少し気持ちが落ち込んでいて、心を整えたいとき。
そんなふうに、書きたいと思ったタイミングで書いています。個人的には、気分を上げたいときや、大切な人に会う前などに書くのもおすすめです。
感謝できることを書き出すと、少しだけ気持ちがやわらかくなります。あと、これはあくまで個人的な感覚ですが、就寝前に書くと、穏やかな気持ちで眠りにつきやすいように感じます。
1日5個を目安に探してみる
感謝ノートには、何個書いてもかまいません。感謝したいことがたくさんある日は、思いつくままに書いて大丈夫です。「感謝できること」を真剣に探しはじめると、意外とたくさん見つかります。
今日も無事に生きていること。
事故や災害に遭わずに過ごせたこと。
食べるものがあること。
眠れる場所があること。
考え出すと、感謝の対象はどんどん広がっていきます。まずは1日5個を目安に探してみるとよいと思います。
「感謝できることを探す」というのは、「人や物の良いところを探す」ことでもあります。
続けているうちに、これまで気づかなかった身近な人のやさしさや、日常を支えてくれている誰かの努力に気づけるかもしれません。
わたしは、たとえばこんなことをノートに書いています。
感謝ノートに書くことは、大げさなことでなくて大丈夫です。
むしろ、こうした小さな「ありがたい」に気づけるようになることが、感謝ノートを続ける一番の良さなのだと思います。
感謝ノートを続けて感じた変化
感謝ノートを続けてみて感じた変化はいくつかあります。もちろん、ノートを書いたからといって、急に人生が大きく変わるわけではありません。
けれど、日々の中にある小さな「ありがたいこと」に目を向ける時間が増えると、少しずつ物事の見え方が変わってくるように感じます。
ここでは、わたしが実際に感謝ノートを続けて感じた変化をまとめてみます。

気持ちが穏やかになった
怒ったまま何かに感謝をすることは、なかなかできません。少なくとも「ありがたいな」と感じているあいだは、気持ちが少し落ち着いて、心が穏やかになるように感じます。
感謝ノートは、誰かに見せるためのものではありません。
あくまで、自分自身のために書くものです。
嫌なことがあった日や、気持ちが落ち込んでいる日でも、感謝できることをひとつだけ探して書いてみる。それだけで、気持ちの向きが少し変わることがあります。
もちろん、つらい気持ちを無理に消す必要はありません。
ただ、感謝できることを書き出しているあいだだけでも、心が少し静かになる。
それが、感謝ノートを続けて感じた最初の変化でした。
人の良いところに気づきやすくなった
感謝ノートに書くことを探していると、自然と人や物の良いところに目が向きやすくなります。
たとえば、こんなふうに感じることがありました。
良いところに気づくと、その人や物に対する気持ちも少し変わります。
「なんだか苦手だな」と思っていた相手でも、ひとつ良いところが見つかると、見え方が違ってくることがあります。職場の人間関係や家族との関係を少し見直したいときにも、相手の良いところを探してみるのはひとつの方法です。

とはいえ、どれだけ探しても良いところが見つからない人も、たまにはいます。
そんなときは、無理に美談にしなくても大丈夫。
距離を置くことも、自分を守るための大切な選択だと思います。
当たり前のありがたさを感じるようになった
感謝ノートを続けていると、「当たり前」だと思っていたことが、実は当たり前ではなかったのだと気づくことがあります。
エンジンをかければ車が動いた
スイッチをONにしたら電気がついた
駅で待っているだけで電車が来た
お金を出したら必要な物が手に入った
普段は何気なく受け取っていることも、誰かが毎日、世の中がきちんと回るように働いてくれているから成り立っています。そう考えると、日常の中には感謝できることがたくさんあります。
もちろん、いつも感謝にあふれて暮らすのは難しいです。気持ちに余裕がない日もありますし、なんとなく落ち込む日もあります。
それでも、ふとしたときに「これもありがたいことなんだな」と思える瞬間が増えたことは、感謝ノートを続けてよかったと思う変化のひとつです。
自分も大切にされていると思えるようになった
感謝ノートを続けて感じた変化の中で、わたしにとって一番大きかったのは、
「自分も、ちゃんと誰かに支えられて生きている」
と思えるようになったことです。
誰かに「ありがとう」と感謝するということは、その人や物が、自分にとってよい働きをしてくれたということでもあります。
たとえば、
もちろん、それらはわたしだけのために行われたことではありません。けれど、少なくともわたしも、その恩恵を受けているひとりです。
日常の小さなことに目を向けてみると、意外なほどたくさんのものに支えられていることに気づきます。感謝ノートは、そのことを思い出すためのノートでもあるのだと思います。
まとめ|感謝ノートは、自分の価値を思い出すためのもの
感謝ノートは、誰かへの感謝を強制するものではありません。感謝できない日があってもいいですし、書けない日があっても大丈夫です。
それでも、わたしが一週間だけでも感謝ノートを試してみてほしいと思うのは、自己評価が低くなってしまっている人にこそ、自分が受け取っているものに気づいてほしいからです。
「ありがとう」は、受け取る人の言葉です。
あなたは、きっと誰かの役に立っています。
だから、誰かから「ありがとう」と言われる側ではあると思います。
でも、あなたは「ありがとう」と言われる側、つまり何かを差し出す側であると同時に、「ありがとう」と言う側、つまり受け取る側でもあります。
感謝ノートは、「実は自分もたくさんのものを受け取っている」ということを、少しずつ気づかせてくれるものなのだと思います。
紙とペンがあれば、今すぐにはじめることができます。
洗いたてのシーツで気持ちよく眠れた。
今日のおやつがおいしかった。
猫たちがご飯を食べてくれた。
小さなことからで大丈夫です。まずは一週間だけ、感謝ノートをはじめてみませんか。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。




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